上物とは、品質が特に優れている品物を指す。一般の品よりも格が高く、材質や仕上げにすぐれたものをいう。家具や調度品などにおいて、上等なものを揃える際に用いられる表現である。
魚介類などを天日や火力で乾燥させ、保存性を高めた食品を指す。水分を減らすことで腐敗を防ぎ、独特の風味が生まれる。漢字では「乾物」と表記することもある。
水物とは、水分を多く含む飲食物を指し、特に飲み物や果物などを含む。また、転じて、結果が不確かで状況次第で変わりやすい物事を意味し、例えば選挙の結果など予測が難しい事柄に用いられる。
売買の対象となる品物や商品を指す。また、ある評価や見方に立った場合の、人や物事のありさまを表す際にも用いられる。
出物とは、売りに出されている品物を指し、特に不動産や骨董品などで値引きされたものをいう。また、皮膚に生じる腫れ物や吹き出物の意味もあり、さらに俗に屁を婉曲に表現する際にも用いられる。
礼を表すために贈られる品物。感謝の気持ちを形にした贈り物を指す。
名物とは、その土地特有の産物や名産品を指す。また、その地域や分野において広く知られ、評判の高い人物や事物を表すこともあり、例えば「名物教師」のように用いられる。さらに、茶道の世界などでは、由緒ある道具や器物を指す場合もある。
その土地で産出するもの、特に農産物や食料品を指す言葉である。地域の風土に根ざした産物を意味し、主に食材としての特産物を念頭に置いて用いられる。
好物とは、特に好きな食べ物や飲み物を指す言葉である。また、より広い意味では、食べ物に限らず、個人が特に好む物事や趣味の対象などを含めて用いられることもある。
値段が安い商品を指すが、特に品質が低いものや耐久性に欠けるものを含意することが多い。安価であるがゆえに、性能や仕上がりが不十分な品物に対して用いられる表現である。
曲物とは、杉や檜などの薄板を曲げて作った容器や道具を指す。また、質入れする品物を意味する場合もあり、この場合は「質物」や「質種」とも呼ばれる。「わげもの」と読むこともある。
汚物とは、主に排泄物など不潔なものを指すが、広くは汚れや穢れを含む物全般を意味する。
見物とは、名所旧跡や催し物などを見て回り、その様子を楽しむことを指す。また「みもの」と読む場合は、見る価値のあるものや様子を意味する。
巻物とは、書画や反物などを横長に仕立て、両端に軸を取り付けて巻き取って保存・鑑賞に供する形式のものを指す。書画の場合は巻子本とも呼ばれ、反物の場合は巻いた状態の布地を意味する。
生物の生命や健康に有害な作用をもたらす物質を指す。特に化学物質や薬物のうち、摂取や接触によって中毒症状を引き起こすものをいう。
人がこの世を去ること、すなわち死亡することを意味する。主に公式文書や記録などで用いられる改まった表現であり、「物」「故」の二字はいずれも逝去の意を含む。
その土地で生産される品物を指し、特に農産物や海産物、鉱物など、地域の特産品を総称する言葉である。
物理とは、物事の理(ことわり)を指す語であり、広くは事物の道理や法則を意味する。また、自然科学の一分野としての物理学の略称としても用いられ、物質の構造や性質、運動、ならびに熱・光・エネルギーなどの諸現象を研究する学問を指す。
物の分量や物資の多さを指す語で、特に物資の豊富さや規模の大きさを表す際に用いられる。例えば、大量の物資を投入する作戦を指して「物量作戦」などと表現する。
物の性質やありさまを指すとともに、世間の様子や人々の心情を表す。特に、世情が穏やかでない状況をいうことが多い。
物相とは、ご飯の量を盛り計るための器、あるいは一人分の飯を盛る器を指す。特に「物相飯を食う」という表現は、牢屋に入ることを意味する慣用句として用いられる。漢字では「盛相」と表記されることもあり、「相」は木製の型を意味する。
物色とは、多くの選択肢の中から適当な人物や品物を探し求めることを指す。また、古くは物の色や形を意味する用法もあったが、現代では主に前者の意味で用いられる。
世間の人々の間で議論や批評の対象となること。特に、多くの人々の関心を集め、様々な意見や論議が交わされる状態を指す。
物語とは、古くから語り継がれてきた伝承や、平安時代から鎌倉時代にかけて作者の見聞や想像を基に人物や事件を叙述した散文作品を指す。また、何かを語る行為やその内容そのものを意味することもある。
物騒とは、世の中に危険な事件や騒動が起こりそうな不安定な状況を指す。また、人や物の様子が乱暴で危険を感じさせるさまも表す。
物事を面倒くさがり、怠ける傾向があること。また、そのような性質を持つ人を指す。
租税や公金などを金銭ではなく物品で納付する方法を指す。現金による納付が困難な場合に認められる制度であり、金納に対する概念として用いられる。
物腰とは、他者と接する際の言葉遣いや身のこなし、態度の総体を指す。特に、その人の人柄や品性がにじみ出るような、落ち着きや丁寧さを含んだ振る舞い方をいう。
物種とは、物事の根本をなす要素を指す。また、草花や野菜など植物の種子を意味する場合もある。
物見とは、見物や観察を意味するほか、戦場において敵情を偵察する役割やその者を指す。また、遠方を見渡すために設けられた高い建造物である物見櫓の略称としても用いられる。
長物とは、長すぎて使いにくく、かえって邪魔になるものを指す。無用のものや、持っていても役に立たない余計なものという意味合いで用いられる。
指物とは、かつて武士が戦場で敵味方を識別するため、鎧の背に差したり従者に持たせたりした小旗や飾り物を指す。また、板や木片を組み合わせ、釘を用いずに作られた家具や器物、例えば机や箪笥、箱などの木工品、およびその技法やそれを扱う職人を意味する場合もある。
音物とは、贈り物や進物を指す言葉であり、また賄賂の意味でも用いられる。
貢物とは、古代において人民が朝廷に納める租税の総称を指す。また、属国が支配国の国王に献上する物品の意味もあり、献上品や調物とも表記される。
その土地で生産される物や資源を指すとともに、ある行為や過程の結果として生み出されたものをも意味する。
貨物とは、輸送機関によって運搬される物品を指す。特に鉄道の貨車やトラック、船舶などで輸送される荷物の総称として用いられ、また貨物列車を略して貨物と呼ぶ場合もある。
進物とは、人に贈る品物のことを指し、特に敬意を込めて相手に差し上げる贈り物を意味する。
真面目で律儀な性格の持ち主を指すが、時に融通が利かず柔軟性に欠ける面も併せ持つ人物像を表す語である。
廃物とは、使用済みで不要となった物品を指す。廃品と同義であり、本来の用途を終えたものの、適切に処理や再利用が可能なものを含む場合がある。
景物とは、四季の移ろいとともに趣を添える自然の風物を指し、特に秋の景色など季節感を伴うものをいう。また、商品の購入や取引に際して添えられる景品やおまけの品物を意味することもある。
塗物とは、漆を塗って仕上げた器物の総称であり、漆器と同義である。特に木地に漆を塗り重ねて作られる工芸品を指し、碗や盆、重箱などの日常雑器から高級な美術工芸品までを含む。塗物師と呼ばれる専門の職人によって製作される。
愚物とは、知能や思慮に欠け、物事の判断や理解が鈍い者を指す語である。愚かな人間、すなわち愚人と同義に用いられる。
業物とは、名工の手によって鍛えられ、特に切れ味が鋭い刀剣を指す。また、能楽においては、演じる上で高度な技量を要する、わざの多い難しい曲のことを意味する。
献物とは、神社仏閣や目上の方に対して敬意を表し、捧げる品物のことを指します。
野菜を塩や糠味噌、酒粕などに漬け込んで保存性を高め、風味を付けた食品の総称。香の物ともいう。
穀物とは、主に人間の主食として利用される植物の種子を指し、米や麦、粟、黍、豆などの類を含む。
端物とは、一揃いのものに対して一部が欠けている不完全な状態を指す。また、浄瑠璃などの芸能において、長編の作品に対し、短編の作品や独立した一編を意味する場合もある。
動かない状態にあるものや、動きのない物体を指す。また、絵画においては、果物や花、器物など動かないものを題材とした作品やそのジャンルを意味する。
履物とは、足を保護し歩行を容易にするために履くものの総称であり、靴や草履、下駄などがこれに含まれる。
遺物とは、過去の時代から現存する物品を指す。特に考古学や歴史学において、先史時代や古代の人々が残した道具や装飾品など、当時の生活や文化を考察する手がかりとなるものをいう。また、故人の残した品々、すなわち遺品としての意味合いも持つ。
漁や狩りによって捕らえられた魚や鳥獣を指す。また、戦いや勝負事などにおいて得た成果や戦利品の意味にも用いられる。
織物とは、縦糸と横糸を織機を用いて一定の規則に従って交差させて作られた布地の総称であり、絹や毛、綿、麻などの素材に応じて絹織物、毛織物などと区別される。
扱いにくい人や物事を指す。特に、手に負えない性質や複雑な事情を抱えているために、対応が困難な対象をいう。
動物の内臓を指し、特に鶏や牛、豚などの食用家畜の臓器を意味する。調理材料として用いられる場合が多く、「はらわた」とも呼ばれる。
果物とは、木や草に実り、食用に供される果実の総称である。古くは水菓子とも呼ばれ、新鮮なまま食されるものを指す。漢字では「菓」と書くこともあり、語源は「木の物」に由来するとされる。
物怪(モッケ)は、思いがけず起こる様子や意外な事態を指す語である。主に「物怪の幸い」のような表現で用いられ、予期せぬ幸運や偶然のめぐり合わせを意味する。漢字では「勿怪」と書くこともある。
魚介類を乾燥させて保存性を高めた食品を指す。主に魚や貝類を天日干しや燻製などで水分を抜いて作られ、独特の風味と食感を持つ。漢字では「干物」とも表記する。
陶物とは、陶土を成形して窯で焼き上げた器の総称であり、陶器を指す語である。特に「すえもの」と読む場合には、焼き物師(陶工)の手になる陶磁器類を意味する。
豪物とは、並外れた能力や手腕を備えた人物を指す。特に、実務において優れた成果を上げるやり手や、人並み以上の力量を持つ傑出した人材を意味する。
律令制において中務省に属し、金銭や物品の出納を管理する職務を担った官職を指す。
什物とは、寺院や神社が所有する器物や道具、資材などを指す言葉である。什器と同義に用いられることもあり、また寺社の宝物を意味する什宝と同じ意味で使われる場合もある。
尤物とは、特に優れた人物や物を指す言葉であり、その中でも際立って美しい女性を表す際に用いられることが多い。
悪知恵に長け、ずる賢い振る舞いをする者を指す。心がねじけており、他人を欺いたり陥れたりすることに巧みな人物をいう。表記としては「姦物」と書くこともある。
佩物とは、貴人が身につける装飾品を指し、特に腰に下げる玉飾りである佩玉を意味する。読み方は「おもの」であり、「おびもの」と読む場合もある。
ろくろを用いて木材を回転させながら刃物で削り出して作られる、椀や盆など円形を基調とした木工品の総称。
疵物とは、傷や欠陥のある物品を指す。特に商品としての価値が損なわれた状態の品物をいう。表記としては「傷物」と書くこともある。
わげものとは、檜や杉などの木材を薄く削り、円形に曲げて作った容器を指す。曲物とも表記される。
髷物とは、男性が髷を結っていた時代を背景とした小説や演劇、映画などの作品を指す。時代物の一種であり、特に江戸時代を題材にした娯楽作品に用いられる表現である。
本物に似せて作られた偽りの品物を指す。美術品や骨董品、ブランド品などにおいて、真正のものと見分けがつきにくいように精巧に作られた模造品や偽造品を意味する。
贖物とは、身の穢れや災厄を移し負わせて水に流す祓いの具である人形を指す。また、罪の償いとして差し出す物の意味も持つ。
上手物とは、品質や出来栄えが特に優れている品物を指す言葉である。主に工芸品や美術品など、手作りの作品に対して用いられ、贈答品として選ばれることも多い。対義語は「下手物(げてもの)」である。
小物成とは、江戸時代において年貢(本途物成)以外に課せられた雑税の総称である。主に田畑の収穫物に基づく年貢に対し、山林や海産物などその他の産物や、様々な経済活動に対して賦課された税を指す。
引出物とは、祝宴などの席で主催者が客に贈る品物を指す。その由来は、かつて馬を庭に引き出して贈った習慣に基づくと言われている。
犬追物とは、鎌倉時代に武家社会で行われた騎射の技芸である。騎馬の武士が走り回る犬を追い、木製の矢を用いてこれを射る練武行事を指す。
好下物とは、酒をより一層楽しむための優れた肴を指す。特に酒の味を引き立てるのに適した、質の高いつまみや料理を意味し、佳肴とも呼ばれる。
夏の夜に数人が集まり、怪談話を一話ずつ語り、その都度灯火を一つ消していく遊び。また、その語られる怪異譚そのものを指す。
作物所は、平安時代に宮中で使用される調度品の製作や修繕を担当した役所である。
見世物とは、入場料を徴収して人々に芸能や珍しい物を見せる興行を指す。また、多くの人々の好奇や興味の対象として見られることを意味し、時に軽んじられた扱いを受ける状況も表す。
飲食店で調理された料理を、店から直接取り寄せて食べるものを指す。主に家庭や職場など、飲食店以外の場所で提供される料理を意味する。
平面上において、定点(焦点)と定直線(準線)からの距離が等しい点の軌跡として定義される曲線を指す。また、物体を斜め上方に投射した際に描く軌道もこの曲線に従うことから、そのような運動の経路を表す際にも用いられる。
モノアラガイ科に属する巻貝で、池沼や小川の水草に付着して生息する。殻は卵形で薄く半透明であり、殻口が広く開いているのが特徴である。
指物師とは、釘などの接合具を用いずに木の板を組み合わせ、主に箪笥や箱、棚といった家具・調度品を製作する工匠を指す。
眉唾物とは、真偽が疑わしく、騙されないよう注意すべき物事を指す。眉に唾を塗ると狐や狸に化かされないという俗信に由来し、信用できない怪しいものや話に対して用いられる表現である。
風物詩とは、季節の風景や情緒を詠んだ詩を指す。また、転じて、ある季節を特徴づける事物や現象を、その季節の情感を象徴するものとして捉えた表現にも用いられる。
高掛物とは、江戸時代に村落単位で賦課された付加税の総称である。その名称は、村の田畑の生産高を示す石高に応じて課税されたことに由来する。
寝物語とは、寝床に入りながら交わす会話のことを指し、特に男女が寝室で親密に語らう様子やその内容を表す。
顕微鏡を用いなければ観察できないほど微小な生物の総称であり、細菌や真菌(かび)などを指す。自然界に広く分布し、生態系において重要な役割を果たしている。
旗差物とは、かつて戦場において、鎧の背中に目印として差し込んだ小さな旗のことを指す。
瀬戸物とは、愛知県瀬戸市を中心に生産される陶磁器、すなわち瀬戸焼を指す。その名称は産地に由来し、転じて一般に陶磁器全般を指す総称としても用いられる。
銭を婉曲に指す語。中国晋代の王衍が「銭」という語を口にするのを嫌い、代わりに「阿堵物」(これ、このもの)と呼んだ故事に由来する。
檜物師とは、檜材を用いて桶や樽などの木工品を製作する職人を指す。特に檜の薄板を曲げて組み上げる技法に長け、主に水回りの容器を専門に作った。
玩物喪志は、珍奇な物や目先の楽しみに夢中になり、本来の大切な志を見失ってしまうことを意味する四字熟語である。故事によれば、周の召公が、他国からの珍しい贈り物に心を奪われて国政を疎かにする王を諫めたことに由来し、『書経』に「物を玩べば、志を喪う」と訓読される。
薬籠中物とは、薬箱の中に常備されている薬のことを指す。そこから転じて、常に手元に置き、必要に応じて自由に活用できる人材や、味方として確実に働いてくれる人物を喩える表現である。故事は『旧唐書』の「元行沖伝」に由来する。
物見遊山は、祭りや行事を見物する「物見」と、山野に遊びに出かける「遊山」とを合わせた四字熟語で、気晴らしに景色を見たり遊びに出かけたりする行楽を指す。
物我一体とは、自己と外界の事物との区別がなくなり、一体となる境地を指す。主に仏教や老荘思想において、悟りの状態や自然との融合を表す際に用いられる。
物論囂囂とは、多くの人々が様々な意見を言い立てて、世間が騒がしい状態を指す。議論や噂が沸き立ち、収拾がつかない様子を表す四字熟語である。