尻籠は、ツヅラフジのつるや竹などを編んで作られた矢を収める容器を指す。矢壺や矢籠とも表記される。
印籠とは、元来は印章と朱肉を収めるための携帯用容器であったが、後に薬などを入れる用途へと変化した。腰に下げて用いる小さな箱形の器物で、江戸時代には武士が裃を着用する際の装身具としても用いられた。数え方としては「一具」「二具」と数える。
灯籠とは、屋外に設置したり軒先に吊るしたりする灯火具のことで、石や木、金属などで作られた火袋の中に灯りをともすものを指します。
尾籠(びろう)は、人前で口にするのをためらうような下品で不潔な様子を表す。もとは「おこ(尾籠)」と読み、無礼な振る舞いを指したが、次第に言葉に出すのも憚られるような卑わいな事柄を意味するようになった。漢字は「籠」を当てた音読から。
参籠とは、一定の期間にわたり神社や寺院に泊まり込み、昼夜を問わず祈願や修行を行うことを指す。
食籠とは、食物を盛り付けるための容器を指し、多くは蓋が付いた丸い形状をしている。
蛇籠は、鉄線や竹などを粗く円筒形に編んで作ったかごに砕石を詰めた土木資材で、河川の水流制御や護岸工事などに用いられる。その形状が大蛇に似ていることからこの名がある。石籠とも呼ばれ、「ジャこ」とも読む。
鳥を飼育するために用いられる籠のことで、主に竹や金属製の針金などを材料として作られる。
葛籠とは、衣服などを収納する箱形の容器で、元来はツヅラフジの蔓で編まれたものを指す。後に素材が発展し、竹や檜の薄板を編んで紙を貼ったものも広く葛籠と呼ばれるようになった。
塗籠は寝殿造における母屋の一室で、厚い壁で四方を囲まれた構造を特徴とする。主に寝室や納戸として用いられ、外部からの視線や気温の変化を遮断する役割を果たした。
薬籠とは携帯用の薬入れのことで、薬箱を指す。特に、印籠に似た三、四重に重ねた小さな箱を指し、外出時に薬を持ち歩くために用いられた。
城の中に閉じこもって敵の攻撃を防ぎながら守りを固めることを指す。転じて、家や建物の中に引きこもり、外部との接触を絶つような状態にも用いられる。
巧みな言葉や手段を用いて人々を言いくるめ、自らの意のままに操ることを指す。中国宋代の蔡京が徽宗に仕え、周囲の人々を巧みに取り込んで権勢を振るった故事に由来する。
家の中に閉じこもり、外部との接触を避けて生活することを指す。特に、社会との交流を断ち、自宅に引きこもる状態を表す。
伏籠とは、香炉や火鉢の上に伏せて用いる籠のことで、衣類に香を薫じ込めたり、乾燥させたりする際に使われる。また、鶏などの小動物を伏せた状態で入れておくための籠を指すこともある。
尾籠(おこ)は、非常に愚かで道理に合わないこと、あるいはばかばかしい様子を指す語である。「尾籠の沙汰」などの形で用いられ、当て字として「痴」や「烏滸」と書かれることもある。なお、「尾籠」を「びろう」と読む場合は別の意味となる。
花籠は、仏教の法要において仏前に散華する花を入れる容器を指す。華筥とも表記される。
軽籠とは、縄を網目状に編み、四隅に綱を取り付けた運搬具を指す。主に土砂や石材などを運ぶ際に用いられ、同様の道具を指す「もっこ」とほぼ同義である。
籠手とは、武道や武具において腕を保護するための防具を指す。剣道では手先から肘にかけてを覆う防具として用いられ、その部位を打つ技の名称ともなる。弓道では、主に左手首に着ける革製の保護具を指し、ゆごてとも呼ばれる。また、鎧の一部として腕を覆う武具のこともいう。表記は「小手」と書く場合もある。
牢籠とは、人前に出ることを避けて閉じこもる状態を指す。また、巧みな言葉で人を丸め込み、策略にはめることも意味する。さらに、困難な状況に追い込まれ、行き詰まって悩む様子も表す。
魚籠は、釣りなどで捕らえた魚を生かしたまま持ち運ぶための籠状の容器を指す。主に竹や合成樹脂などで作られ、水に浸けても使用できるようになっている。漢字表記では「魚籠」のほか「魚籃」とも書き、後者は「ぎょらん」とも読まれる。
揺籠は、赤ん坊を寝かせて揺り動かすための籠状の道具を指す。揺り動かすことで子供を安心させ眠りに誘う役割を果たし、「揺籃」とも表記される。
樊籠とは、鳥や獣を閉じ込める檻や籠を指す。そこから転じて、自由を束縛される境遇や、煩悩に縛られて苦しむ心の状態を喩える表現としても用いられる。
駕籠とは、竹や木などで作られた箱形の乗り物で、前後に通した棒を担いで人を運ぶ、古く用いられた交通手段である。
竹などで編んだ籠の一種で、編み残した部分がひげのように垂れ下がっているものを指す。特に、どじょうを捕るために用いられる籠をいうことが多い。
石灯籠とは、石材を用いて作られた灯籠のことで、主に寺院や神社の境内、あるいは日本庭園などに設置される。夜間には内部に灯りをともし、周囲を照らす役割を果たすとともに、景観の一部として風情を添えるものである。
印籠決とは、戸や障子などの建具において、二つの部材を接合する際に用いる手法である。一方の部材を凹形に、他方を凸形に加工し、互いに密着して隙間が生じないように組み合わせる構造を指す。
神籠石とは、古代の山城遺跡の一種で、山腹や尾根に沿って列状に並べられた切石を特徴とする。門跡が確認される場合もあり、主に中国・四国・九州地方に分布している。
ウツボカズラ科のつる性多年草で、食虫植物として知られる。南アジア原産であり、葉の先端が筒状の捕虫袋に変化し、虫を捕らえる。漢名「猪籠草」は、その袋が豚を運ぶ籠(猪籠)に似ていることに由来する。別表記として「靫蔓」や「靫葛」とも書かれる。
檻猿籠鳥とは、檻の中の猿や籠の中の鳥のように、自由を奪われて束縛されている状態を意味する四字熟語である。転じて、行動や思考の自由が制限され、窮屈な立場に置かれた人や状況を喩える表現として用いられる。
籠の中に飼われている鳥が空に浮かぶ雲を慕う様子から、束縛された境遇にありながら自由を切に望む心情を表す四字熟語である。
籠鳥檻猿とは、籠に閉じ込められた鳥と檻に閉じ込められた猿のことで、自由を奪われ、思い通りに生きられない境遇を喩えた四字熟語である。白居易が友人である元稹との関係を詠んだ詩に由来し、転じて広く束縛された状態を指す。
薬籠中物とは、薬箱の中に常備されている薬のことを指す。そこから転じて、常に手元に置き、必要に応じて自由に活用できる人材や、味方として確実に働いてくれる人物を喩える表現である。故事は『旧唐書』の「元行沖伝」に由来する。
池の魚と籠の鳥という意から、自由を奪われ束縛された境遇や身の上を喩える。身体や行動が制限され、思うままに振る舞えない状態を指す。『文選』の潘岳「秋興賦」に由来する。