両手のすべての指、すなわち合わせて十本の指を指す。転じて、手の指全体を総称する表現として用いられ、「十指に余る」のように、指で数え切れないほど数が多いことの喩えにも使われる。
多くのものの中で特に優れており、指折り数えられるほど傑出していることを指す。
取引において、売買を希望する側が提示する特定の価格を指す。市場での注文時に、買い手または売り手が事前に設定した値段であり、その価格で取引が成立することを条件とする。
指物とは、かつて武士が戦場で目印とするため鎧の背に差したり従者に持たせたりした小旗や飾り物を指す。また、板や木片を組み合わせ、釘を用いずに作られた家具や器物、例えば机・椅子・箪笥・箱などの木工品をも意味し、この技術を用いる職人を指物師と呼ぶ。前者の意味では「差物」「挿物」と表記することもある。
指弾とは、人やその行為を非難し、排斥することを指す。社会からの批判や軽蔑の対象となる様子を表し、世間の白眼視を受けるような状況をいう。
特定の対象や事柄を明確に示して定めること。また、そのように定められた内容や場所を指す。
指でさして呼ぶことを意味し、また呼べばすぐに応えられるほど近い距離を表す。
教え導くこと。特に、学問や技芸の道において方向を示し、手引きをすることを指す。古代中国の指南車に由来し、常に南を指し示す人形が乗せられていたことから、正しい方向へ導く意味が生じた。
指標とは、ある目標や状態を評価・判断する際の基準となる目印を指す。また数学においては、常用対数の整数部分を意味する。
特定の人物の名前を挙げて、その人を指定することを指す。例えば、役職や任務にふさわしい人物として選び出す際に用いられる。
指針とは、計器の針のように方向を示すもののことであり、転じて、物事を進める上でのよりどころとなる方針や目標を意味する。
指先の皮膚に刻まれた隆起線によって形成される紋様。また、その紋様が物体に付着した痕跡を指す。個人ごとに固有の模様を持ち、生涯を通じて変化しない特性から、身元確認や犯罪捜査などに用いられる。
指数とは、数学においてある数や文字の右肩に記し、その累乗の回数を示す数字や文字を指す。また、賃金や物価など変動する量を、基準となる時点の値を100として比率で表した数値のことも意味し、例えば物価指数のように用いられる。
指切は紅藻類テングサ科に属する海藻で、房総半島から九州にかけての浅海の岩上に生育する。茎は不規則に二また状に分岐し、テングサに混ぜて寒天の原料とされる。別名をトリノアシという。
食指は、手の五本の指のうち、親指の隣に位置し、最も頻繁に物を指し示すために用いられる指を指す。人差し指とも呼ばれる。
眼指(まなざし)とは、ものを見る際の目の様子や視線の向け方を指す語である。人の感情や態度が反映された、優しさや厳しさなど様々な含みを持った視線を表す際に用いられる。表記としては「目指」や「目差」と書くこともある。
親指とは、手や足の指の中で最も太く、端に位置する指を指す。また、転じて一家の主人や職人の親方などを俗に呼ぶ際にも用いられる。
指貫は、裾に括緒が付いた幅広の袴を指す。主に平安時代以降、貴族が衣冠や直衣、狩衣を着用する際に用いられた装束で、奴袴とも呼ばれる。
指袴は、裾を括らずに足首までの長さに仕立てた袴を指す。近世の公家が指貫の代用として用いたもので、指貫の小袴に由来するとされる。
指嗾とは、他人をそそのかして特定の行動を取らせることを指す。特に悪意を持って人をけしかけ、騒動や問題を引き起こすように仕向ける行為を意味する。漢字では「使嗾」と表記することもある。
指を折りながら数えることを意味し、また素早く指し示して述べる様子を表す。
指揮者とは、主に音楽の分野において、合奏や合唱の際に演奏の統率を執り、全体の表現を導く役割を担う人を指す。より広義には、人々を指図し、集団を指揮する立場にある者を意味することもある。
指物師とは、釘などの接合具を用いずに木の板を組み合わせ、主に箪笥や箱、棚といった家具・調度品を製作する工匠を指す。
染指草はツリフネソウ科の一年草で、鳳仙花(ホウセンカ)の漢名に由来する。その花汁で爪を染めた習俗から名付けられた。
小指と中指の間に位置する指を指す名称で、薬指とも呼ばれる。名無し指とも表記され、その由来は古くから特に名称が定まっていなかったことに因るとされる。
目指気使とは、言葉を用いずに目くばせや顔色で合図し、自分より身分の低い者を指図して思いのままに使うことを指す。また、勢いが盛んで傲慢な態度を表すこともある。故事は前漢の貢禹が元帝に上書した言葉に由来し、富貴の家で威張る者が目や顔つきだけで下人をこき使う様子を批判したものである。
「駢拇枝指」は、『荘子』の「駢拇」篇に由来する四字熟語で、本来は生まれつき親指が隣の指とくっついていたり、余分な指が生えていたりすることを指す。そこから転じて、本来必要のない余計なもの、無用の長物、あるいは自然の理に反した不自然なものを喩える表現として用いられる。
頭髪上指とは、激しい怒りのあまり髪の毛が逆立つ様子を表す四字熟語である。中国の史書『史記』の「項羽本紀」に由来し、ここでの「上指」は髪が天を指すほど逆立つことを意味する。
噬指棄薪は、母と子が互いに深く通じ合う心情を表す四字熟語である。故事によれば、後漢の蔡順が薪を取りに出かけている間に客が訪れ、母が指を噛むと遠方の彼にもその心が伝わり、急いで帰宅したという。ここから、親子の強い絆や以心伝心の境地を指すようになった。
寸指測淵とは、短い指で深い淵の深さを測ろうとすることを意味し、自分の浅はかな知識や能力で、はるかに及ばない深遠な事柄を推し量ろうとする愚かさを喩えた故事成語である。
激しい怒りや憤りによって目尻が裂け、髪の毛が逆立つほど激昂する様子を表す。