上戸とは、酒を好んで飲む人を指す。また、酒を飲んだ際に現れる特定の癖を表すこともあり、例えば「笑い上戸」のように用いられる。語源には諸説あるが、律令時代に人民を財力に応じて大戸・上戸・中戸・下戸と区分し、これが酒の購入量にも反映されたことに由来するとされる。
戸口(ここう)とは、家の戸数と人口を指す語である。主に世帯の数を表す「戸」と、そこに住む人々の数を表す「口」とを合わせた表現で、例えば「戸口調査」のように、地域の世帯構成や人口を把握する際に用いられる。なお、「とぐち」と読む場合は、家の出入り口を意味する別語となる。
戸主とは、一家の主人として家を代表し、家務を統括する者のことを指す。また、かつての民法においては、家の支配と統率を行う権限を持つ者として規定されていた。
戸籍とは、国民一人ひとりの氏名や生年月日、親族関係、本籍地などを登録・証明する公文書を指す。また、転じて、戸数や人口を記録した帳簿の意味も持つ。
戸板とは、かつて病人や物を運搬する際に用いられた、雨戸などの板張りの戸を指す。
前面に開閉可能な戸を取り付け、内部に棚を設けた箱型の家具。食器や衣類など様々な物品を収納するために用いられる。
戸袋とは、雨戸を開けた際に収納するための設備で、敷居の端に設けられた囲い状のものを指す。
各戸とは、それぞれの家、一軒一軒の家を指す語である。家々を個別に捉え、集合体としてではなく独立した単位として扱う場合に用いられる。例えば、印刷物や配布物などを家ごとに配るような状況を表す際に「各戸に配る」といった形で使用される。
妻戸とは、建物の端部に設けられる開き戸のことを指す。特に寝殿造りの建築においては、建物の四隅に設置され、両側に開閉する形式の戸を意味する。
家屋の裏側に位置する出入り口を指し、裏口や裏門を意味する。また、家の後方にあって普段は目につきにくい場所、すなわち裏手の隠れた区域を表すこともある。
瀬戸とは、陸地に挟まれて海幅が狭くなった地形を指し、小さな海峡を意味する。また、物事の成否が分かれるぎりぎりの局面を表す「瀬戸際」の略称としても用いられるほか、陶磁器を指す「瀬戸物」の略称としても使われる。
余戸とは、大化改新後の律令制において、五十戸を一里と定めた際に生じた端数の民戸によって構成された小規模な村落を指す。また、辺境の地にある貧しい村を意味することもある。「あまるべ」とも読む。
封戸とは、律令制において食封の対象となった戸を指す。皇族や高官などに対し、その位階や勲功に応じて支給され、当該戸から徴収される租の半分と庸・調の全額が被支給者の収入となった。また、この食封制度そのものを意味することもある。「ホウコ」とも読む。
柴戸とは、柴を用いて作られた粗末な戸のことを指し、転じて質素な家や侘び住まいを意味する。
蜑戸とは、蜑(あま)すなわち海人と呼ばれる漁労を生業とする人々が居住する家屋を指す語である。主に沿岸部や島嶼部に見られる、海と深く関わる生活の場を表す。
蓬戸とは、蓬(よもぎ)で編まれた粗末な戸のことであり、転じてそのような戸のある質素な家屋やあばら家を指す語である。
簾戸とは、細く割った竹や葦を編んで作られた戸のことで、通風を良くしつつ目隠しにもなる夏向きの建具である。夏の季語としても用いられ、「簀戸」と表記されることもある。
木戸銭とは、芝居小屋などの入口に設けられた木戸で支払う入場料のことを指す。特に江戸時代の娯楽興行において、見物客が観覧の対価として直接支払った金銭を意味する。
気吹戸とは、神道において神が人々の罪や穢れを吹き払い清める場所を指す語である。
江戸紫とは、藍の色味が強く加わった紫色を指す。江戸時代にムラサキソウを用いて染められたことに由来し、鮮やかながらも落ち着いた深みのある色合いが特徴である。
枝折戸とは、木や竹の枝を編み込んで作られた簡素な扉のことを指す。庭の出入り口などに設けられることが多く、自然の素材を活かした素朴な造りが特徴である。表記としては「柴折戸」と書く場合もある。
一定の住居や職業を持たず、ゆすりやたかりなど不正な手段で生計を立てる無頼の徒を指す。社会の秩序を乱すならず者を意味する。
床の間や付け書院の脇に設けられる、壁面から張り出して取り付けられた戸棚を指します。また、茶道において桑や桐などの材木で作られる、茶器を収納するための棚を指す場合もあります。
瀬戸物とは、愛知県瀬戸市を中心に生産される陶磁器、すなわち瀬戸焼を指す。その名称は産地に由来し、広義には陶磁器全般を指す総称としても用いられる。
御戸代とは、神事において神に供える稲を栽培するために設けられた特別な田を指す。神饌としての米を生産する神聖な場所であり、一般の水田とは区別される。
舞良戸とは、板戸の一種で、表面に舞良子と呼ばれる細い桟を狭い間隔で取り付けた引き戸を指す。
揚簀戸とは、茶室の露地に設けられる門の一形式である。門柱の上に梁を渡し、そこから簀(す)すなわち竹を編んで作った戸を吊り下げた構造を特徴とする。
ナス科のつる性多年草で、山野に自生する。初秋に白い小花を咲かせ、後に赤い実を結ぶ。全草に毒性がある。秋にヒヨドリがこの実を好んで食べる習性から名付けられた。「白英」とも表記する。
盗人上戸とは、甘い物と酒の両方を好む者を指す四字熟語である。また、大量に酒を飲んでも顔色や様子に全く変化が現れない酒豪のことも意味する。