下火とは、火の勢いが衰えることを指し、山火事などが鎮静化する様子に用いられる。転じて、社会現象や流行など、かつて盛んだった勢いが徐々に弱まる状況を表すこともある。また、調理法の一つとして、食材の下方から火を当てる方法を意味し、特にするめを焼く際などに言う。茶道においては、風炉や炉に予め入れておく火を指す専門用語でもある。なお、「アコ」と読む場合は異なる意味を持つ。
ぼやとは、建物やその他の物件のごく一部に燃え広がっただけで、消火活動により大事に至らずに鎮火した火災を指す。
天火とは、西洋料理において食材を加熱・蒸し焼きにする調理器具を指し、オーブンに相当する。
水火とは、水と火という相反する性質のものを指す。転じて、水害と火災という災難を表し、また極めて危険で苦しい状況の喩えともなる。さらに、互いに相容れない険悪な関係を意味し、例えば「水火の仲」のように用いられる。
「火光」は、夜明け前に東の空に揺らめくかすかな光を指し、曙光の趣を帯びた表現である。また、春や夏の日に地面から立ち上る陽炎のゆらめきを表す際にも用いられ、この場合は「陽炎」とも書く。
火山の噴火に伴って溶岩や火山灰などが噴出する、山体の頂部や側面に形成される開口部を指す。
火災とは、建物や森林などが燃える火事そのものを指すとともに、それによって生じる災害や損害をも意味する。火難とほぼ同義であり、防火意識の啓発や予防策を強調する文脈で用いられることが多い。
建物や山林、船舶などが燃える災害を指す。火災や火難とも呼ばれる。
火酒とは、ロシアを原産とする蒸留酒の一種で、大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料として作られる。アルコール度数が高いことが特徴である。
火定とは、仏教の修行者が行う特殊な禅定の一種であり、体内から火を発することを指す。また、より極端な実践として、修行者が火の中に入って自らの命を絶つ行をも意味する。
火炎とは、激しく燃え上がる大きな炎のことを指す。特に勢いよく燃え盛る様子を表し、「火焰」の書き換えとして用いられる語である。
火の燃え広がる勢いや強さを指す。特に火災の際に炎が激しく燃え上がる様子や、火力の強弱を表現する際に用いられる。
火葬とは、遺体を焼却した後に遺骨を収め、これを葬る方法を指す。荼毘に付すとも表現される。
火急とは、事態が切迫しており、一刻の猶予も許されないほど急を要する様子を指す。火が燃え広がるような緊迫感を伴い、迅速な対応が求められる状況に用いられる。
火宅とは、煩悩や苦しみに満ちたこの世を、燃え盛る家屋に喩えた仏教用語で、現世すなわち娑婆を指す。
火の中を指す。また、火の中に物を入れて焼く行為やその状態を表す。
火縄とは、竹や檜の表皮から採った繊維、あるいは木綿糸をより合わせて作った縄に、燃えやすくするため硝石を染み込ませた点火用具を指す。主に火縄銃の発火に用いられた。
火魚はホウボウ科の海魚で、沿岸の海底に生息する。頭骨が発達して硬く、姿形はホウボウに似るがやや小柄である。美味であり、「金頭」「鉄頭」「方頭魚」などの漢字表記も用いられる。
火箸は、炭火を扱う際に用いる金属製の道具で、二本一組の細長い棒からなり、先端で炭を挟んだり、かき混ぜたりするのに使われる。
灰を敷き詰めた容器に炭火を熾し、主に室内で暖を取るために用いる道具。手を温めたり、湯を沸かしたりする用途にも供される。冬の季語としても用いられる。
火災によってもたらされる災難を指す。火が原因で生じる不幸な出来事や被害を意味し、火事による危険や損害を総称する語である。
火縄銃の火皿を覆う真鍮製のふたを指す。転じて、戦いや競技などが始まることを「火蓋を切る」と表現する。
火影とは、灯火の光そのものを指すとともに、その光に照らし出された物の影をも意味する。特に、ともしびの灯りや、その灯りによって壁や障子などに映し出される人影や物の姿を表す。表記としては「灯影」と書くこともある。
火が燃え広がる速度や勢いを指す語で、特に火災の際に火が周囲へ拡大する様子を表す。風の強さなどによってその速さが変化する。
火串とは、たいまつを固定するために用いる木の棒、あるいはのろしを上げる際に煙突状の台に立てる杭を指す語である。
火皿とは、火薬や燃料を載せる浅い容器状の部分を指す。火縄銃においては火薬を入れる窪みをいい、煙管では刻み煙草を詰めて火を点ける部分を指す。また、ストーブやボイラーなどでは、燃料を燃やすための格子状の受け皿を意味する。
火屋(ほや)は、香炉や手焙りの上に被せる網状の覆いを指す。また、ランプやガス灯の炎を囲むガラス製の筒のこともいう。加えて、火葬場を指す別称としても用いられ、この場合は「ひや」と読まれることもある。
火傷とは、火や熱湯などの高温のものに触れることによって皮膚や組織が損傷し、炎症を引き起こす状態を指す。また、その損傷自体を指すこともある。表記としては「焼傷」や「焼処」とも書かれ、「カショウ」と読む場合もある。
不注意や過失によって火災を発生させること、またその火災そのものを指す。故意ではなく、誤りや不始末が原因で火がつき、延焼する事態をいう。
石火とは、火打ち石を打った際に一瞬で散る火花のことを指し、転じて極めて短い時間や素早い動作の喩えとして用いられる。例えば「電光石火」のように、瞬時の速さやはかなさを表現する際に使われる。
灯火とは、照明として用いる火や光を指す。特に夜間の明かりを意味し、灯火管制のように、外部に光が漏れないようにする措置を指す場合もある。また、ともしびとも読む。
行火とは、手足を温めるために用いる小型の暖房器具で、持ち運びが可能である。特に冬期に使用され、電気式のものは電気行火と呼ばれる。
兵火とは、戦争によって引き起こされる火災を指し、転じて戦争そのものをも意味する。戦場で燃え上がる炎や、戦禍によって焼け野原となる街の様子を連想させる語である。
火をつけて火災を引き起こす行為を指す。特に、建物や森林などに故意に火を点けることを意味し、そのような行為を行う者を「放火魔」と呼ぶことがある。
武火とは、強く激しく燃え上がる火の勢いを指し、特に調理の場面では食材を短時間で加熱するために用いる強い火力を意味する。対義語として弱火でじっくりと加熱する「文火」と対比される概念である。
点火とは、火をつけることを指す。また、機関や装置などを始動させるために、発火の操作を行うことも意味する。例えば、聖火に点火する、あるいは原子炉に点火するといった用法がある。読みは「てんか」であり、「とぼし」と読む場合は別の意味となる。
「点火(とぼし)」とは、火をともして暗闇を照らすための道具を指し、松明のようなものを含む。また、「灯」の字を用いて表記されることもある。なお、「テンカ」と読む場合は別の意味となる。
発火とは、物が燃え始めることを指す。例えば、自然発火による山火事のように、外部からの点火を伴わずに物質が自ら燃焼を開始する現象をいう。また、鉄砲において火薬のみを装填して空砲を撃つ行為や、火打ち石で起こした火を火口に移し取る動作を指す場合もある。
火や高温に耐える性質を指し、燃えにくいことを意味する。建築材料や構造などに用いられ、防火性能を備えていることを表す。
消火とは、燃焼している火を消し止める行為を指す。特に火災の際に消火活動を行うことを意味し、消火栓や消火器などの設備を用いて鎮火を図る過程を含む。
砲火とは、大砲や火器を発射する際に生じる閃光や爆発の光、あるいはそれによって放たれる砲弾そのものを指す。戦闘において敵味方が互いに撃ち合う状況を「砲火を交える」と表現し、激しい攻撃を受ける様子は「砲火を浴びる」と喩えられる。
墓地や湿地帯の夜間に、青白く幽かに燃えるように見える光のことを指す。人骨などに含まれるリンが自然に発光する現象であり、狐火や燐火とも呼ばれる。
野火とは、早春に野山の枯れ草を焼くために付ける火、すなわち野焼きの火を指す。また、山野で発生する火災、山火事の意味でも用いられる。
陰火とは、夜間や墓地などで不気味に燃え上がる怪しい炎のことで、時に火の玉のように見えることもある。俗に鬼火や狐火とも呼ばれる、自然現象の一つである。
仏教において、悪業の報いとして地獄で罪人を焼き苦しめる火を指す。また、生前に積んだ悪行が自らを滅ぼす様を火に喩えた表現でもある。
煙火とは、炊事の際に立ち上る煙や竈の火を指す。また、遠方へ信号を伝えるための狼煙の意味もあり、さらに現代では花火を意味する場合もある。
火薬を詰めた玉や紙筒に点火し、燃焼や爆発によって光や音を発する娯楽用の装置。夜空に開く華やかな光の造形を花に喩え、「花火」とも表記される。また「エンカ」と読む場合もある。
真っ赤に焼いた鉄を指すほか、刀剣や鉄砲といった武器を意味し、転じて戦場や修羅場を表す。また、気性が激しく威勢のよい様子を形容する用法もある。料理名としては、マグロの刺身を用いた鉄火巻や鉄火丼の略称として用いられる。さらに、博徒や博打打ちを指す「鉄火打ち」の略としても使われる。
銃火とは、銃器の発射時に生じる閃光や火花を指す。また、転じて銃を用いた攻撃や戦闘行為そのものを意味し、特に敵対勢力間で実際に射撃が行われる状況を表す際に用いられる。
鎮火とは、燃え盛る火災が沈静化し、消し止められることを指す。特に火事の勢いが収まり、完全に消滅するまでの過程や状態を表す語である。
類火とは、他からの火事が燃え移って生じる火災のことを指し、類焼やもらい火とも呼ばれる。自らの出火によるものではなく、隣接する建物など外部の火源が原因で延焼する場合をいう。
下火(あこ)は、禅宗における火葬の儀式で、導師が遺骨を納めた棺や遺体に直接点火する作法を指す。唐音で「ア」と読むことに由来し、「したび」と読む場合とは意味が異なる。
火坑とは、火が燃え盛る穴を指す。また、激しい欲望が人を破滅に導く恐ろしさを、燃えさかる穴に喩えた表現としても用いられる。
火燵は、熱源の上に櫓を組み、布団を掛けて足元を暖める日本の暖房器具である。冬の季語としても用いられ、「炬燵」と表記されることもある。
火筒は、火薬を用いて弾丸を発射する武器である銃砲の古称である。かつては戦場で用いられ、その響きが遠くまで届いたという。
火床とは、囲炉裏の中央に設けられた火を直接焚く場所を指す。また、煉瓦やコンクリートなどで簡易に築かれた、金属の鍛冶作業に用いる炉のことも意味する。
火焼(ひたき)は、スズメ目ヒタキ科に属する小鳥の総称である。その名の由来は、「ヒッ、ヒッ」と聞こえる鳴き声が、火打ち石を打つ音に似ていることにちなむ。別称として「鶲(ひたき)」とも呼ばれる。
直火とは、食材を鍋や網などの調理器具を介さずに、直接炎や熱源に当てて加熱する調理法を指す。串刺しの魚や肉を炭火などで焼く際に用いられる表現である。
喝火とは、禅寺において就寝前に火の用心を呼びかける行事、またはその役目を務める僧を指す。
火力が弱く、ゆっくりと物を加熱する火のことを指し、調理において食材をじっくりと煮込む際などに用いられる。
火をつけた矢を敵陣に向けて射る、古代の兵器を指す。また、船舶から空中へ打ち上げて合図とする信号用の火具のこともいう。
火遁とは、忍術の一種であり、炎や煙を発生させて自身の姿を隠し、敵の目を欺く技法を指す。火の性質を利用した術であり、戦闘において奇襲や退避の際に用いられる。
劫火とは、仏教の世界観においてこの世の終末に起こるとされる大火災のことで、人の住む世界をすべて焼き尽くすとされています。
暗闇の中で燐が自然発火して青白く揺らめく光の現象を指し、古くは狐が灯す提灯とも信じられていた。いわゆる鬼火や人魂と同様のものである。
烽火は、古代中国で外敵の侵入を告げるために用いられた通信手段で、のろしを指す。高所に設けた土や石の台(烽火台)で燃料を積み上げて火を焚き、その煙や炎によって遠方まで緊急の情報を伝達した。転じて、戦争や非常事態の発生を知らせる合図の意味でも用いられる。
烽火(のろし)は、古代において戦争や緊急事態を遠方に知らせるために、火を焚いて煙を上げる通信手段を指す。また、転じて大規模な行動や変革の開始を告げる合図や、その契機となる行為の比喩としても用いられる。「狼煙」とも表記し、「ホウカ」とも読む。
榾火は、木の切れ端や枯れ枝などを燃やして起こす火のことで、主に野外で焚く火を指します。たき火と同義であり、ほだびとも読みます。
「熾火」は「おきび」と読み、燃えさかる火や勢いよく燃える火を指す。漢字表記としては「燠火」とも書かれる。
燎火とは、かがり火のことを指す語で、夜間の照明や合図のために野外で焚く火を意味する。特に、松明や薪などを高く積み上げて燃やすものをいう。
夜間に警備や漁猟を行う際、照明として焚く火を指す。また、広く野外で焚く火のこともいう。
墓地や沼地などに現れる青白い炎を指す。燐化水素の自然発火による現象とされ、古くから怪異と結びつけて語られる。狐火や鬼火とも呼ばれる。
燧火とは、火打ち石を打ち合わせて起こす火のことで、切り火や打ち火とも呼ばれる。また、転じて、敵の襲来などを遠方に知らせる合図の烽火(のろし)の意味も持つ。
キク科の多年草で、山地に自生する。葉の裏面には綿毛が密生しており、この綿毛を火口(ほくち)として用いたことに由来する名を持つ。秋にはアザミに似た紫色の頭状花を咲かせる。
不知火とは、主に秋の夜間に海上に無数の炎のような光が揺らめいて見える自然現象を指す。熊本県八代沖で観測されるものが特に知られており、漁火が大気中の温度差によって異常屈折や反射を起こすことで生じるとされる。
火山の噴火に伴い、高温の火山砕屑物と火山ガスが混合して地表を高速で流下する現象を指す。その速度は時速100キロメートルを超えることもあり、破壊力が極めて大きい。
地火日は暦注の一つで、土に火の気が宿るとされる日である。この日は植樹や種まき、土木工事などの地に関わる作業を行うと凶とされ、避けるべきとされている。
紀元前六世紀頃にペルシャの預言者ゾロアスターによって創始された宗教で、善神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユの闘争を宇宙の根本原理とし、光明と清浄の象徴である火を礼拝する。ゾロアスター教とも呼ばれる。
食火鶏はヒクイドリ科の鳥で、オーストラリアに生息する。ダチョウに似ているがやや小型で、飛ぶことはできないものの走行が速い。特徴として喉に赤い肉垂れがあり、頭部には冠状の突起を持つ。漢名に由来する名称であり、「火食鳥」と表記することもある。
菜殻火とは、アブラナを刈り干して種子を取り除いた後の茎や殻(菜種がら)を燃やす火のことを指す。特に筑紫平野で行われるものが知られており、夏の風物詩として親しまれている。
鹿火屋とは、夜間に鹿などの獣が田畑を荒らすのを防ぐために、火を焚いて見張りをする番小屋のことを指す。秋の季語としても用いられ、「かひや」とも読まれる。
鉄火肌とは、気性が激しく、物事にこだわらないさっぱりとした性質を指す。特に女性について用いられ、威勢がよく、はきはきとした態度や、裏表のない明快な性格を表す。
平安時代の宮中において、庭火やかがり火を焚き、夜間の警備や照明の役割を担った小屋を指す。
蚊を追い払うために焚く火のことで、主に木屑や蚊遣り香などをくすぶらせて煙を立て、その煙によって蚊を遠ざけるものを指す。夏の夕暮れの風物詩としても親しまれている。
御火焚は、京阪地方で行われる火祭りの神事である。陰暦十一月に社前に火を焚き、供え物を捧げ、神楽を奏して行われる。また、「おひたき」と読む場合もある。
火熨斗とは、ひしゃく形をした金属製の道具で、内部に炭火を入れて熱し、その熱を利用して衣服のしわを伸ばし形を整えるために用いられる。
活火激発とは、盛んに燃え上がる炎が激しい勢いで噴き出し、立ち上る様子を表す四字熟語である。「活火」は勢いよく燃え盛る火を指し、「激発」は激しく突発することを意味する。合わせて、火勢が極めて激しく迸るさまを描写する表現となる。
火中取栗とは、他人の利益のために危険を冒し、自分だけが損害を被る愚かな行為を指す。この表現は、ラ・フォンテーヌの寓話で、猫にそそのかされて炉火の中の栗を取ろうとした猿が火傷を負った故事に由来する。
火に油を注ぐように、もともと悪い状況をさらに激化させたり、紛争や騒ぎを一層大きくしたりすることを意味する四字熟語です。
火上加油とは、もともと燃えている火に油を注ぐことで、火勢をさらに強めることを指す。転じて、すでに悪い状況や紛争などに、さらに悪化させるような言動を加えることを意味する。
火樹銀花とは、灯火や花火が輝き乱れ、夜の景色が華やかに照らし出される様子を表す四字熟語です。特に、中国唐代の詩人・蘇味道の詩「正月十五夜」に詠まれた、元宵節(旧暦正月十五日)の美しい灯りの情景に由来し、祭りや祝賀の場の賑やかで煌びやかな雰囲気を指します。
隔岸観火とは、対岸で起こる火事を眺めるように、他人の災難や苦境を自分には関係のないこととして、ただ傍観する態度を指す四字熟語である。
火牛之計とは、牛の角に刃物を結びつけ、尾に火のついた葦の束を括り付けて敵陣に突入させる戦術を指す。中国の史書『史記』「田単伝」に記される故事に由来する四字熟語である。
遠水近火とは、遠くにある水では近くで燃える火を消すことができないという故事に由来する四字熟語で、遠方のものは緊急時には役に立たないこと、また、手遅れになるような緩慢な対応では急を要する事態に対処できないことをたとえた表現である。
燎原の火とは、野原を焼き尽くす大火のことで、その勢いが激しく、瞬く間に広がる様子を表す。転じて、物事の勢いが盛んで、急速に拡大し、止められない状況の喩えとして用いられる。『書経』盤庚篇に由来する四字熟語である。