斗酒とは、一斗(約十八リットル)に相当する大量の酒を指す。そこから転じて、一般に多量の酒そのもの、あるいは大酒を飲む様子を表す語として用いられる。
火酒とは、ロシアを原産とする強い蒸留酒の一種で、大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料として作られる。アルコール度数が高く、無色透明なのが特徴である。
甘酒は、米麹を発酵させて作る甘味のある飲料である。主に、米麹と粥状に炊いた米を混ぜて発酵させる方法と、酒粕に湯や砂糖を加えて溶かし込む方法の二通りがある。古くから「醴」とも表記され、一夜で仕込めることから一夜酒とも呼ばれる。
生酒とは、濾過や加熱処理をせずにそのままの状態で出荷される日本酒を指す。火入れを行わないため、酵母が生きており、フレッシュでみずみずしい風味が特徴であるが、保存性は低い。
灰酒は、酸化を防ぐために灰汁を加えて醸造される酒である。糖分が多く含まれ、赤みを帯びた色合いと甘みが特徴で、みりんに似た風味を持つ。飲用のほか調味料としても用いられ、熊本県の特産品として知られる。赤酒とも呼ばれる。
冷酒とは、燗をせずに冷やした状態で飲む日本酒を指す。特に夏の季節に好まれる飲み方であり、冷用に適した酒質のものを指すこともある。
麦芽を主原料とし、ホップで苦味と香りをつけて発酵させたアルコール飲料。特に夏の季語としても用いられる。
味酒は、味わいが良くおいしい酒を指す語で、美酒と同義である。漢字表記としては「旨酒」とも書かれる。
ジンは、大麦やライ麦などを原料とした蒸留酒に、杜松の実をはじめとする植物性の香料で風味をつけたアルコール飲料である。高いアルコール度数を持ち、その独特の香りから、特にカクテルのベースとして広く用いられる。
神に供える酒を指し、祭祀の際に用いられる。また、転じて酒そのものを尊んで言う美称や敬称としても用いられる。「御酒」と表記することもある。
酒気とは、酒の香りや酒を飲んだ際の息の匂いを指す。また、酒を飲んで酔っている状態や、そのような状態にある人の様子を表すこともある。
酒を醸造したり貯蔵したりするための建物を指す。酒造りの工程において、原料の発酵や熟成、製品の保管などを行う施設として用いられる。読み方としては「さけぐら」とも発音される。
酒を飲んで心地よい気分に浸ること、またそのような気分を指す。あるいは酒宴の席での遊びや余興を意味し、宴席に趣を添えるものとして用いられる。
酒手とは、酒の代金を指すほか、使用人や職人などに賃金とは別に渡す心づけやチップの意味でも用いられる。後者の場合、「酒手をはずむ」などの表現で使われることがある。酒代(さかしろ・さかだい)と同義である。
酒宴を催して祝賀を行うことを指す。古くは「さかほかい」とも言った。
酒を飲んで酔った際に現れる特有の言動や傾向を指す。人によっては陽気になったり、怒りっぽくなったり、泣き出したりと様々な形で表れ、一般に「酒癖が悪い」などと評価される。また、「さけぐせ」「さかぐせ」とも読む。
酒を伴う宴会や宴席を指し、人々が集まって酒を酌み交わし、歓談や歓楽を共にする場を意味する。
酒を飲むことを主とした宴会の座席、またはその場そのものを指す。酒宴が催される席を意味し、宴席と同義で用いられる。
酒家とは、酒を販売する店舗を指す言葉であり、酒屋と同義である。また、酒を好んで飲む人、すなわち酒客や上戸を意味する場合もある。
酒仙とは、世俗の煩わしさを顧みず、ひたすら酒を愛し深く味わう風流な人物を指す。また、単に酒量の多い酒豪を意味することもある。
酒を好んで飲む人、あるいは酒を飲むことを常とする人を指す。特に酒を愛し、しばしば飲酒を楽しむ仲間同士を指す場合もある。
酒に酔うと普段とは異なり、乱暴な言動をとる傾向を指す。また、そのような性質を持つ人を指して用いられることもある。
御酒(みき)は、酒を丁寧に言う美称であり、特に神前に供える神聖な酒を指す。神酒とも表記される。
掌酒(さかびと)とは、古代において神事に供えるための酒を醸造し、その管理を担当した者のことを指す。表記は「酒人」とも書かれる。
酒類を摂取する行為を指す。特にアルコール飲料を飲むことを意味し、「飲酒運転」のように他の語と結びついて用いられることも多い。仏教用語としては「おんじゅ」と読む場合がある。
酒を飲むことを禁止すること。また、飲酒の習慣のある人がその習慣を断つこと。前者は法令や規則による制限を指し、後者は個人の意思による節制を意味する。
緑酒とは、緑色を帯びた酒を指す。特に、上質で味わい深い美酒のことを意味し、詩歌などでは風雅な情景を彩るものとして詠まれる。
銘酒とは、特に優れた品質や特徴を持つことで知られる名高い酒を指す。主に日本酒において、特定の蔵元や産地、醸造技法などによって高い評価を得ている銘柄の清酒を意味する。
濁酒(どぶろく)と同じく、米や麹を原料として醸造される白濁した酒を指す。通常の清酒と異なり、濾過を十分に行わないため、もろみの一部が残っており、独特の風味ととろみがある。
白酒(しろき)は、大嘗祭などの神事において神前に供えられる白色の酒を指す。対となる黒酒(くろき)は、これに黒胡麻の粉を加えたもので、両者をともに供える慣習がある。また、「しろざけ」と読む場合は、雛祭りなどに用いられる白く甘い酒を意味する。
老酒は中国産の醸造酒の総称であり、主に糯米や粟、黍などを原料として醸造される。長期間貯蔵することで風味が熟成し、より芳醇になるという特徴からこの名がついた。中国語に由来する語である。
酒を貯蔵したり、醸造過程で酒のもろみを搾る際に用いる、木製の大型容器を指す。
瓶に詰められた酒を指す。主に清酒や焼酎など、ガラス瓶に密封された状態で販売される酒類をいう。
黒酒は、新嘗祭や大嘗祭において神前に供えられる、黒く着色された酒を指す。白酒と対をなすもので、黒御酒とも呼ばれる。
酒を貯蔵または運搬するために用いるたる。特に、日本酒を醸造した後に貯蔵・熟成させる木製の容器を指し、杉材などで作られることが多い。
酒肴とは、酒を飲む際に添えて楽しむ料理のことで、酒の味を引き立てる役割を果たす。酒と共に供される肴を指し、酒席をより豊かにするための重要な要素である。
酒を飲むための小さな器を指し、主に漢文調の文章や詩歌などで用いられる表現である。
酒を飲むための器を指し、特に大きめの杯を意味する。
酒粕とは、日本酒の醸造過程において、もろみから酒液を搾り取った後に残る固形物を指す。主に米や麹の残渣からなり、独特の香りと風味を持つ。調味料や漬物床として用いられるほか、甘酒の原料にもなる。「さかかす」とも読む。
酒を商う店を指す語で、特に酒を販売する店舗を意味する。古風な表現として用いられることが多い。
酒饌とは、酒とともに供される食事のことで、酒を引き立てるための肴や料理全般を指す。酒席における酒と食物の組み合わせを意味し、酒食や酒肴と同義である。
山椒の実に他の生薬を配合して酒に浸した薬用酒の一種で、屠蘇酒などと同様に正月の祝い酒として用いられる。
サルが樹木の穴などに蓄えた果実が自然に発酵し、酒のような風味を帯びたものを指す。
葷酒とは、にんにくやにらなど臭いの強い野菜と酒を指し、また広く肉や魚などの生臭いものと酒を合わせた意味で用いられる。主に仏教などの戒律において避けるべき飲食を表す語である。
「醇酒」は、発酵させただけで濾過などの精製工程を経ていない濃厚な濁り酒を指し、どぶろくや煉り酒などに類する。表記としては「堅酒」とも書く。
鴆酒とは、中国の伝説に登場する毒鳥である鴆の羽を酒に浸して作られた毒酒を指す。その毒性は極めて強く、わずかな量でも命を奪うとされる。表記としては「酖酒」と書くこともある。
樽酒とは、酒を樽に詰めた状態のものを指す。特に、貯蔵や運搬のために木製の樽に入れられた酒を意味し、樽から直接注ぐことで提供されることもある。また、「そんしゅ」と読む場合もある。
濁酒は、発酵後に濾過を行わず、もろみの状態のまま残した白く濁った酒を指す。にごり酒やもろみ酒とも呼ばれ、通常の清酒とは異なる素朴な風味が特徴である。漢字では「濁酒」と書き、「どぶろく」のほか「だくしゅ」とも読まれる。
清酒に少量の麹を加え、浮遊する麹の様子をみぞれに見立てた酒。
醪酒とは、醸造過程において発酵後の液体から酒粕を濾過せず、そのままの状態で提供される濁り酒を指す。どぶろくとも呼ばれ、透明な清酒とは異なり、もろみ(醪)の粒子が残っているため白濁した外観と濃厚な風味が特徴である。
鰭酒とは、焼いた河豚の鰭を日本酒に浸し、熱燗にして香りを楽しむ飲み物である。主に冬の季節に味わわれる。
大嘗祭において、神前に供える神酒の醸造を掌る役目を担う少女を指す。
律令制において宮内省に属し、酒や酢などの醸造を担当した役所を指す。表記は「酒司」とも書かれる。
複数の種類の洋酒に果汁や香料などを加えて調合した飲料を指す。主にウイスキーやブランデーなどを基酒とし、味や香りを整えて作られる。
中国浙江省紹興地方を原産地とする醸造酒で、もち米を主原料とし、麦麹と酒薬を用いて発酵させて造られる。独特の芳香と琥珀色が特徴であり、長期熟成により風味が深まる。
神事において神前に供える酒を指し、転じて酒を丁寧に、あるいは戯れて言う表現としても用いられる。「大御酒」と表記することもある。
三鞭酒とは、フランスのシャンパーニュ地方で醸造される発泡性の白ワインを指す。炭酸ガスを含み、祝宴や記念行事など晴れの場で用いられることが多い。シャンペンとも呼ばれる。
治聾酒とは、春の社日に飲む酒を指す。社日すなわち春分または秋分に最も近い戊の日にこれを飲むと、耳の遠さが治るとされる俗信に由来する名称である。
酒面雁はカモ科の鳥類で、中国に生息するガチョウの原種とされる。シベリアから冬鳥として日本に渡来し、全身が白く、顔面の赤みが他の雁類に比べて特に強いことが特徴である。
求漿得酒とは、水を求めたのに酒を得るという意味から、期待していた以上の良い結果を得ることを指す。転じて、予想外の幸運に恵まれるたとえとして用いられる。
「儀狄之酒」とは、古代中国の伝説上の人物である儀狄が醸造したとされる酒を指す四字熟語で、『戦国策』魏策にその記述が見られる。これは酒の起源にまつわる故事の一つとして、酒がもたらす功罪を暗示する表現として用いられることがある。
悪酔強酒とは、酒に酔うことを悪いと知りながら、無理に飲酒を続けることを指す四字熟語である。ここから転じて、道理では望ましくないと分かっていながら、あえてその行為を強行する矛盾した態度を表す。『孟子』離婁篇に由来し、「酔よいを悪にくみて酒さけを強しう」と訓読される。
肥肉厚酒は、贅沢な食事と酒を指す四字熟語である。肥えた美味な肉と、芳醇で上質な酒を意味し、豊かな食生活の喩えとして用いられる。『呂氏春秋』に典拠を持ち、順序を逆にした「厚酒肥肉」の形でも用いられる。
美酒佳肴とは、上質な酒と見事に調理された料理を指し、特に宴席などで供される贅沢な饗応を表す四字熟語である。酒と肴の両方が優れていることを強調し、心ゆくまで楽しめる豊かな食卓の情景を連想させる表現となっている。
「呑花臥酒」は、花を愛でながら酒を飲み、そのまま花の下に寝転がって眠るという、風流で無頼な遊興の境地を表す四字熟語である。『雲仙雑記』に典拠を持ち、自然の美と酒の楽しみに陶酔する、自由闊達な生活態度を詠んだ表現として用いられる。
杜甫の「飲中八仙歌」に基づく四字熟語で、酒を一斗飲んで詩を百篇作るという意味から、酒を愛し詩才に富む文人の豪放な気風を表す。