一筆とは、墨を継ぎ足さずに一気に書き上げることを指す。また、同じ人物による筆跡を意味し、同筆ともいう。手紙などで用いられる「一筆啓上」のように、簡単な文をしたためることも表す。さらに、土地登記簿において一区画にまとめられた土地を指す場合もある。
土筆はスギナの胞子茎を指し、早春に茶褐色の筆のような穂をつける。その姿が港の目印となる澪標のように突き立って見えることからこの名がついた。食用とされ、筆頭菜とも表記する。
すぐれた文章を書く能力、あるいはそのような優れた文章そのものを指す。また、すぐれた筆跡という意味でも用いられる。
文章を書くこと、特に詩歌や小説、評論などの文芸作品を創作する行為を指す。また、そのような活動を生業とすることを「文筆業」ともいう。
毛筆とは、穂先を主に獣毛で作り、墨を含ませて文字や絵画を描くために用いる筆の一種である。書道において広く使用され、その独特の筆致から生まれる表現力が特徴とされる。
既存の文章や絵画などに、新たに書き加えたり、手を入れて修正したりすることを指す。
貴人に仕えて文書の作成や記録を担当する役職、またはその人を指す。主に武家社会において、主君の側近として筆頭の書記役を務めた。祐筆とも表記する。
末筆とは、手紙や文書の末尾に添える挨拶文を指す。主に結びの言葉として用いられ、相手の健康や繁栄を願う表現が続くことが多い。
事実を故意に歪めて記述すること。また、そのように書かれた文章を指す。歴史叙述や報道などにおいて、真実を曲げて都合の良いように記す行為をいう。
肉筆とは、印刷や複写によらず、本人が直接筆やペンなどで書き記した文字や絵画のことを指す。自筆や真筆とも呼ばれ、複製物とは区別される。
筆跡が整わず乱れていること、あるいは雑に書きなぐることを指す。また、そのような書きぶりや文字そのものを意味する。手紙などで自分の筆跡をへりくだって言う場合にも用いられる。
弄筆とは、技巧を凝らして飾り立てた文章を書くことを指す。また、事実を歪めて記述する、いわゆる曲筆の意味も含む。
直筆とは、本人が自ら筆を執って書く行為、またはそのようにして書かれたものを指す。特に手紙や書画などにおいて、代筆ではなく本人の手によるものであることを強調する際に用いられる。読みは「ジキヒツ」であり、「チョクヒツ」と読む場合は別の意味となる。
直筆とは、事実をありのままに曲げずに記述することを指す。また、筆を垂直に立てて書く筆法を意味する場合もある。読みが「ジキヒツ」の場合は別の意味となる。
墨や絵の具を用いて筆で書画を描く行為、またはそのようにして描かれた作品そのものを指す。揮毫や潤筆と同様の意味を持つ語である。
特に注目すべき事柄や際立った事象を取り上げて記述することを指す。普通とは異なる重要性や価値を持つ事柄に対して用いられる表現である。
真筆とは、その人物自身が書いたと認められる筆跡のことを指し、真跡とも呼ばれる。偽筆や模写ではなく、本人の手による真正な書であることを示す語である。
能筆とは、文字を巧みに書く能力や、そのような達筆な書を指す語である。また、書道に優れた人、すなわち能書家の意味でも用いられる。
起筆とは、文章や書画などを書き始めることを指す。筆を執り、最初の一画を記す行為を意味し、書き起こしや執筆の開始を表す。対義語として、書き終えることを意味する「擱筆」がある。
健筆とは、巧みに文字を書くこと、また詩文を達者に書き記すことを指す。筆をふるって優れた文章や書跡を生み出す能力や、その様子を表す語である。
筆記具を用いて文章を書き記す行為を指す。特に、原稿や論文、書籍など、ある程度まとまった分量の文章を作成する場合に用いられる表現である。
字を書くのが下手であること、あるいはそのような下手な字そのものを指す。また、転じて、筆の作りが粗悪で書きにくい筆のこともいう。
細筆とは、先端の細い筆を指し、繊細な線や細かな文字を書く際に用いられる。また、そのような筆を用いて緻密に書き記す行為そのものも意味する。
読み書きの能力を欠く状態を指し、またそのような人を指す語である。特に文字を書くことができないことに重点が置かれる。
硬筆とは、鉛筆やペンなど先端が硬い素材で作られた筆記用具を指す。毛筆に対する概念であり、硬筆習字のように文字を書く練習に用いられる。
文字や記号を書き記す行為、またはそのようにして記録されたものを指す。特に口頭での内容を文字に書き起こす場合や、試験などで答案を書く際に用いられる。
筆耕とは、文章や書類を筆写あるいは清書することで報酬を得ることを指し、またそのような仕事に従事する人をも意味する。転じて、文筆活動によって生計を立てることも表す。
筆と紙を指すほか、文章に書き表す行為そのものをも意味する。特に、心中の思いや感情を文字に託して表現することを指して用いられる。
文章や書画を実際に書き記した人を指し、著者や作者と同義で用いられる。
筆陣とは、文章によって繰り広げられる鋭い論戦のことを指し、またそのような文章そのものを表す。戦陣になぞらえて、筆者の顔ぶれや陣容を意味する場合もある。
筆勢とは、書画において筆の運びによって生じる力強さや躍動感、あるいは文章表現における勢いやリズムを指す。筆致や筆力と関連し、作品に独特の生命力や情感をもたらす要素として捉えられる。
筆を置いたり掛けたりして保管するための文房具。書斎などで使用され、筆先を保護し机面を汚さないようにする役割を果たす。
筆跡とは、個人が筆記具を用いて紙面などに記した文字のことであり、その人の書く際の癖や特徴が現れるものを指す。また、そうして書き残された文字そのものを意味することもある。
漢字を構成する点や線の総称であり、文字を形作る最小の単位として数えられるものを指します。書写や字体の分析において基本となる要素で、画数や筆順の基準となります。
筆と舌を意味し、文章による表現と話し言葉による表現の両方を指す。特に、複雑な状況や深い感情を言葉で完全に表しきれないことを示す際に用いられる。
筆の先端を指すほか、書画や文章における筆の運びや筆致、また表現の一端をも意味する。
筆録とは、話された内容や出来事などを文字に書き記すことを指し、またそのようにして作成された記録そのものを意味する。
筆談とは、音声による会話の代わりに、文字や文章を書いて互いに意思や用件を伝え合う方法を指す。
筆致とは、文字や文章、絵画などを書く際の筆の運び方や、それによって表される趣や勢いを指す。筆の動きから生まれる独特の表現や、作品全体に感じられる筆づかいの特徴を意味する。
質問に対して文字や文章を書いて答えることを指し、口頭で答える口答と対をなす表現である。試験などで用いられる「筆答試問」のような形で使われる。
筆頭とは、連名において最初に記される位置を指す。転じて、ある範疇の中で最も重要と見なされ、最初に挙げられる人物や事物を意味する。また、古くは筆の先端、あるいは文章そのものを指す用法もあった。
筆法とは、書道や絵画における筆の運び方や使い方を指す。また、文章表現の技法や言葉の選び方、さらには物事の処理や交渉における巧妙な方法や手段を意味する場合もある。
絶筆とは、生前に書かれた最後の文字や文章、絵画などの作品を指す。また、筆を置いて書くことをやめる行為そのものも意味する。
文章において不足している部分を書き加えること。また、そのようにして加えられた筆跡そのものを指すこともある。
達筆とは、筆の運びに勢いがあり、優れた筆跡を書くことを指す。また、そのような文字そのものを表す場合もある。能筆と同義で、悪筆の対義語として用いられる。
文章を書く速度が遅いこと。また、そのような性質や傾向を指す。速筆の対義語として用いられる。
見聞や体験、あるいは心に浮かんだ感想などを、形式にとらわれず自由な筆致で書き記した文章。エッセイとも呼ばれ、随想や漫筆に類する。
黒鉛と粘土を混ぜて焼き固めた芯を木製の軸に収めた筆記具。主に紙に文字や図を描くために用いられる。
漫筆とは、筆の赴くままに自由な形式で書き綴ることを指し、気軽な心境で記された文章を意味する。随筆や漫録に類するもので、形式にとらわれずに思うままを書き記す表現形態である。
本人が自ら筆を執って書いた筆跡を指し、特に身分の高い人物の直筆をいうことが多い。
麗筆とは、優雅で美しい筆跡、あるいは洗練された趣のある文章を指す。特に書道や文筆において、気品のある表現や巧みな筆遣いを称える際に用いられる語である。
禿筆とは、先端が擦り切れて毛先の短くなった筆を指す。また、自らの書いた文章や書を謙遜して言う際にも用いられる表現である。「ちびふで」と読むこともある。
祐筆とは、かつて貴人に仕えて書記の役目を担った者を指す。また、武家においては文書や記録の作成・管理を職務とする役職名として用いられた。広義には、文筆を業とする者や文官を意味することもある。表記は「右筆」と書くこともある。
宸筆とは、天子すなわち皇帝が自ら筆を執って書いた文字や文書のことを指す。宸翰とも呼ばれ、その筆跡は君主の権威を象徴するものとして尊重された。
筆と硯を指す。転じて、文章を書くことやその仕事、また書かれた文章そのものを意味する。手紙の挨拶文では、文筆に携わる人々の日常生活や近況を表す語として用いられる。
筆蹟とは、筆やペンなどで文字を書いた際に紙面に残る痕跡のことを指し、特にその筆致や線の特徴を含めて表現する言葉である。個人の書き癖や筆圧、運筆の様子が反映されるため、筆跡鑑定などにおいても重要な要素となる。
筆誅とは、文章によって人の罪悪や過ちを書き立て、厳しく責め立てることを指す。
筆を置くことを意味し、特に文章を書き終えた時点で筆を下ろすことを指す。書き物を終える際の動作を表し、「これにて擱筆致します」のように結びの挨拶として用いられる。対義語は起筆である。
手紙や文章を書くことを面倒に感じ、なかなか筆を執ろうとしない様子を指す。また、そのような性質を持つ人を指して用いることもある。
筆忠実とは、手紙や文章を書くことを厭わず、こまめに筆を執る様子を指す。また、そのような習慣を持つ人をいう。対義語に筆不精がある。
燕頷投筆は、文人が筆を捨てて武人の道に進むことを喩えた四字熟語である。燕頷とは燕のような角張った顎を指し、古来より武勇に優れた者の骨相とされた。この語は『後漢書』班超伝に由来し、文事から武事への転身を表す際に用いられる。
意のままに筆を運び、思いのままに文章を綴ることができる境地を指す。心に浮かぶ考えが滞りなく筆先に表れ、自由闊達に表現できる様をいう。
一筆三礼とは、書画の筆遣いにおいて、一筆ごとに三度礼を尽くすように、細部まで心を込めて丁寧に描くことを意味する。転じて、物事を行う際に非常に慎重で入念な態度を表す四字熟語である。
一筆勾消とは、これまでの事柄をすべて取り消して無かったことにすることを意味する四字熟語である。「勾」は引くという意味で、書いた文字を一筆でさっと引いて消し去る様子に由来する。過去の経緯や関係を一気に清算する際に用いられる表現である。
「一筆啓上」は、手紙の冒頭に用いる挨拶文で、簡単な手紙を差し上げる旨を伝える決まり文句である。主に改まった手紙において、本文を簡潔に述べる前置きとして使われる。
落筆点蠅とは、誤って筆を落としてできた墨の汚れを巧みに蠅の絵に描き変えたという故事に由来する四字熟語で、過ちや失敗を逆に機転と工夫によって見事に取り繕い、優れた成果に変えることを意味する。
筆力扛鼎とは、文章を書く力が非常に優れており、鼎(かなえ)を持ち上げるほどの重厚さと力強さを備えていることを表す四字熟語です。唐代の文人である韓愈の詩「病中贈張十八」に由来し、その筆致の雄渾さと迫力を称える表現として用いられます。
筆削褒貶とは、文章を書く際に、その内容を削ったり加えたりして評価を下すことを意味する。歴史書の編纂などにおいて、事実を取捨選択し、筆を加えることで人物や事件に対する褒めや貶しの意を込めることを指す。