飛燕とは、空を飛ぶ燕の姿を指す。また、剣道などの武術において、燕が素早く方向を変えるように、機敏に身を翻す動きの喩えとしても用いられる。
燕窩は、アナツバメが唾液で作った巣を乾燥させたもので、主に中華料理の高級食材として用いられる。燕巣とも呼ばれる。
燕居とは、公務や仕事から離れて自宅でくつろぎ、のんびりと過ごすことを指す。日常の雑事から解放され、気ままに時間を過ごす状態を表す語である。
燕脂は黒みを帯びた赤色を指し、えんじ色とも呼ばれる。また、ベニバナを原料とした赤色の顔料を意味し、その表記には「臙脂」を用いることもある。
燕石とは、中国の燕山で産出される石を指し、一見すると玉に似ているが実際には偽物であることから、転じて本物に見えるが価値のないもの、あるいは偽物を意味する言葉として用いられる。
燕麦はイネ科の一年草で、細長い実をつける。主に飼料として用いられるほか、オートミールなどの食用にも加工される。オートムギとも呼ばれ、夏に収穫期を迎える。
燕楽とは、酒宴を催して音楽や舞踊などの芸能を楽しむことを指す。宮廷や貴族の社交の場で行われる遊興を伴う宴を意味し、宴楽とも表記される。
燕尾服とは、男性が公式の夜会などで着用する洋装の礼服の一種である。上着の後ろが長く二つに分かれており、その形状がツバメの尾に似ていることからこの名が付けられた。
燕子花はアヤメ科の多年草で、杜若(かきつばた)とも呼ばれる。漢名からの誤用によって「燕子花」の字が当てられたものである。
燕去月は陰暦八月の異称で、秋の季節を表す。この時期には燕が南方へ去っていく習性から名付けられ、夏から秋への移り変わりを感じさせる言葉である。
燕巣幕上は、幕の上に燕が巣を作るように、非常に危険で不安定な場所に身を置くことを意味する四字熟語である。『春秋左氏伝』襄公二十九年に由来し、転じて、危うい状況や基盤の安定しない状態を指して用いられる。
燕雀相賀は、新居の落成を祝う言葉である。燕と雀はともに人家に巣を営む鳥であることから、新しい家が完成すれば、それらも喜んで集うという故事に基づく。『淮南子』の「説林訓」に由来する四字熟語で、家の新築をめでたいものとして祝う気持ちを表す。
燕雀鴻鵠は、燕や雀のような小さな鳥には、鴻や鵠といった大きな鳥の遠大な志を理解できないという故事に由来する四字熟語である。転じて、器量の小さな者には、大人物の壮大な志や抱負を測り知ることができないことを意味する。
燕頷投筆は、文人が筆を捨てて武人の道に進むことを喩えた四字熟語である。「燕頷」とは燕のように角張った顎を指し、古来より武勇に優れた者の骨相とされた。この語は『後漢書』班超伝に由来し、文事から武事への転身を表す際に用いられる。
燕雁代飛は、春に燕が渡ってくると雁が去り、秋に雁が戻ってくると燕が去るという、渡り鳥の交代によって季節の移り変わりを表した四字熟語である。『淮南子』に典拠を持ち、春秋の巡りを鳥の往来に託して詠んだ風雅な表現として知られる。
燕頷虎頭とは、燕のようなあごと虎のような頭を意味し、威厳に満ちた立派な容貌を形容する四字熟語である。『後漢書』「班超伝」に登場し、将来、万里の外で侯に封ぜられる相とされた故事に由来する。
燕頷虎頸は、燕のように角張ったあごと虎のようにたくましい首を意味し、威厳に満ちた立派な容貌を形容する四字熟語である。『後漢書』「班超伝」に登場し、将来の大志を成し遂げる人物の相として用いられた故事に由来する。
郢書燕説とは、本来の意味とは異なる無理な解釈を、あたかも道理に適っているかのように説明することを指す故事成語である。その由来は、中国の『韓非子』に記される故事にある。楚の都・郢の人が燕の大臣に手紙をしたためる際、暗がりで「燭をあげよ」と口にした言葉を誤って文中に記してしまった。それを受け取った燕の大臣は、その言葉を「賢人を登用せよ」と解釈して王に進言し、かえって国がよく治まったという逸話に基づいている。
兎葵燕麦は、『新唐書』の「劉禹錫伝」に由来する四字熟語で、かつての庭園が荒廃し、かつて植えられていた立派な草木が失われ、代わりに雑草である兎葵や燕麦が生い茂っている様子を表します。転じて、往時の繁栄が失われ、荒涼とした様相を呈することを喩える言葉です。