乙鳥はツバメ科の鳥を指す語で、燕(つばめ)の漢名に由来する。
千鳥はチドリ科の鳥の総称で、主に海岸や水辺に生息する。多くは渡り鳥であり、三本指の足を左右に交差させる独特の歩き方をする。冬には大群をなして飛来することからその名がついたとされ、「鵆」の字でも表記される。
玄鳥はツバメの異称で、その名は黒い鳥を意味する漢字の組み合わせに由来する。
季節の変化に応じて繁殖地と越冬地の間を長距離移動する鳥類を指す。渡り鳥とも呼ばれ、主に春から夏にかけて北方で繁殖し、秋に南方へ渡って越冬する習性を持つ。
益鳥とは、人間の生活や農業などに利益をもたらす鳥類を指す。例えば害虫を捕食したり、草木の種子を散布したりするなど、生態系において有益な役割を果たすものをいう。ツバメやフクロウなどがその代表例である。
探鳥とは、野外において野生の鳥を観察し、その生態や行動を楽しむ趣味や活動を指す。バードウォッチングとも呼ばれる。
鳥葬とは、遺体を野外に安置し、猛禽類などの鳥類に啄ませて処理する葬送の方法を指す。主にチベット仏教圏などで見られる風習であり、自然への回帰を理念とする葬法の一つである。
鳥目は、中央に穴の開いた銭貨を指す語で、転じて金銭一般をも意味する。その由来は、穴の形状が鳥の目に似ていたことによる。なお、「とりめ」と読む場合は、夜盲症など別の意味を表す。
「鳥渡」は「ちょっと」と読み、わずかな程度や短い時間を表す。試しに行う様子や、簡単には実現しないことを示す場合にも用いられる。また、相手を呼び止めたり注意を促す際の掛け声としても使われる。表記には「一寸」を用いることもある。
鳥を飼育するために用いる籠で、主に竹や金属製の針金などで作られる。鳥が逃げないよう、また外部からの危害を防ぐ構造となっている。
鳥目とは、暗所において視力が著しく低下し、物が見えにくくなる病気を指す。夜盲症とも呼ばれ、多くの鳥類が夜間に視覚を失う習性に由来する名称である。なお、「ちょうもく」と読む場合は別の意味となる。
慈鳥はカラス科の鳥を指す名称であり、漢名に由来する。成長した子が親に餌を運んで養う習性が慈愛に満ちていると見なされ、この名が付けられた。
ライチョウ科の鳥で、北半球の北部に広く分布する。日本では本州の高山帯、特に日本アルプスに生息し、ハトほどの大きさである。季節によって羽色が変化し、夏は褐色、冬は純白の保護色となる。氷河期からの遺存種であり、国の特別天然記念物に指定されている。
駒鳥はヒタキ科の小鳥で、夏に中国南部から飛来する。全身が赤褐色を基調とし、腹部中央は黒く、下部は白い。頭部と胸部は暗いオレンジ色を帯び、夏の間に「ヒンカラカラ」と鳴く声が馬のいななきに似ていることが名の由来とされる。「知更雀」とも表記する。
怪鳥(ケチョウ)は、怪鳥(カイチョウ)と同義で、姿形や鳴き声が普通の鳥とは異なり、不気味で怪しい鳥を指す。また、「化鳥」と表記されることもある。
鳥屋とは、鳥を飼育するための小屋を指し、特に鷹を飼う施設を意味する。また、鳥類が季節によって羽毛を生え替える現象を表すこともある。さらに、小鳥を捕獲するために山中に設けられた仮設の小屋も指し、「塒」の漢字を用いて表記される場合もある。
鳥威とは、田畑において農作物を食い荒らす害鳥を追い払うために設置される仕掛けの総称である。鳴子や案山子などがこれに当たり、主に収穫期の秋に用いられる。
寒さや恐怖、強い感動などによって皮膚の毛穴が収縮し、鳥の羽をむしった後の肌のように小さな突起が無数に現れる状態を指す。
番鳥とは、雄と雌が一対となって連れ添う鳥のことを指し、特に夫婦のように常に寄り添って行動する鳥を表す言葉である。
雄鳥とは、鳥類のうち雄を指す語である。特にニワトリの雄を意味することが多く、時を告げる鳴き声で知られる。対義語は雌鳥(めんどり)であり、表記としては「雄鶏」と書かれることも多い。
雌鳥とは、一般に雌の鳥を指す語である。特にニワトリの雌を指して用いられることが多く、この場合は「雌鶏」と書くこともある。対義語は雄鳥(おんどり)である。
渚鳥は、砂州や水辺に生息する鳥を指す言葉で、主にシギやチドリなどの水鳥を意味する。また、カワセミの別称としても用いられ、その美しい羽色から翡翠とも呼ばれる。表記としては「州鳥」と書くこともある。
鳥が夜間や休息時に身を寄せて眠る場所を指す語で、鳥の巣や寝床を意味する。漢字では「塒」とも表記される。
鳥兜とは、舞楽において楽人や舞手が用いる、鳳凰の頭部を模した冠を指す。また、キンポウゲ科の多年草の名称でもあり、秋に青紫色で冠に似た形状の花を円錐状に多数咲かせる。その根は猛毒を含むが、乾燥させたものは付子(または烏頭)と呼ばれ、鎮痛剤などに利用される。別名としてブス、草烏頭とも書く。
鳥黐とは、モチノキなどの樹皮から採取される粘着性の物質で、小鳥や昆虫を捕らえるために用いられる。
ダチョウ科に属する大型の鳥類で、アフリカの草原地帯に生息する。現存する鳥類の中で最も体が大きく、飛翔能力はないが、脚力が強靭で走行速度が非常に速いという特徴を持つ。
鷙鳥とは、鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する習性を持つ鳥類を指す。特に鷹や鷲などの猛禽類をさし、その獰猛で荒々しい性質から、転じて気性の激しい鳥の総称としても用いられる。
ムクドリ科の鳥類で、東南アジアを原産地とする。全身が黒い羽毛に覆われ、くちばしと脚は鮮やかな黄色をしている。人の声や言葉を巧みに模倣する能力に優れ、そのため愛玩鳥として広く飼育されている。
不死鳥は、エジプト神話に伝わる霊鳥で、数百年の寿命を終えると自ら炎に身を投じ、その灰の中から再び若返って蘇るとされる。この伝説に由来し、一度滅びたり衰退したものが、再び力強く復活する様子の比喩としても広く用いられる。
巧婦鳥はミソサザイ科の小型の鳥を指し、漢名に由来する。その名は、精巧な巣を作る習性にちなんでいるとされる。別称として鷦鷯(みそさざい)とも呼ばれる。
ウグイスの異称。早春に人里近くで美しい声で鳴く様子が、春の訪れを告げるように感じられることに由来する。
息長鳥はカイツブリの古名で、水中から浮上した際に長く息をつく習性に由来する。カイツブリ科に属する水鳥を指す。
桃花鳥とはトキ科に属する鳥のことで、鴇(とき)とも呼ばれる。全身が美しい淡紅色を帯びた白色の羽毛に覆われ、顔は皮膚が裸出して赤く、長く湾曲した嘴を持つ。水辺の湿地に生息し、主に小魚やカエル、水生昆虫などを捕食する。日本では特別天然記念物に指定されている。
瑠璃鳥はヒタキ科に属する鳥で、南アジアに生息する。青や紫色に輝く美しい羽を持ち、さえずりが優れていることで知られる。また、オオルリの別称としても用いられ、日本では夏鳥として親しまれている。
田長鳥はホトトギスの異称で、夏の農事を司る田長(田の長)に田植えの時期を告げるように鳴くことに由来する名である。
百千鳥は、数多くの小鳥が群れをなしている様子を指し、あるいは多種多様な鳥類全般を表す語である。また、特にチドリという鳥の別称としても用いられる。
鳥総松とは、正月の門松を片付けた後に、その跡に松の枝の先端部分を立てておく習わしのことを指す。新年の期間が過ぎても松の縁起を留め、漸次に日常へと移行するためのしきたりである。
ミズナギドリ科に属する海鳥の総称。多くは南半球の孤島で繁殖し、体は上面が暗褐色、下面が白色の種が多い。海面すれすれを翼で薙ぐように飛び、魚類を捕食する習性に由来する名である。
アホウドリ科に属する大型の海鳥。主に無人島に生息し、人を恐れない性質から容易に捕獲されたことに由来する名を持つ。別名を信天翁(あほうどり)ともいう。
啄木鳥はキツツキ科の鳥類の総称で、木の幹に垂直に止まることができる。前後に二本ずつある鋭い爪と、非常に硬いくちばしを持ち、これで木に穴を開け、中に潜む虫を長い舌で捕らえて食べる。漢名に由来する名称であり、木を啄む鳥という意味を持つ。
蚊喰鳥とは、コウモリの異称の一つである。その名は、蚊を捕食する習性に由来するとされ、夏に多く見られることから夏蝙蝠とも呼ばれる。
窮鳥入懐とは、追い詰められて逃げ場を失った鳥が人の懐に飛び込んでくるように、困り果てた者が助けを求めて来たときには、その理由を問わずに救いの手を差し伸べるのが人としての道理であるということを表す故事成語である。
檻猿籠鳥とは、檻に閉じ込められた猿や籠の中の鳥のように、自由を奪われて束縛されている状態を表す四字熟語である。転じて、行動や思考が制限され、窮屈な立場に置かれた人や状況を喩える際にも用いられる。
花鳥風月は、自然の美しい風景を指すとともに、そのような風景を愛でたり、それを題材にした詩歌や絵画を楽しむ風雅な趣味や境地をも意味する四字熟語である。
花鳥諷詠とは、四季折々の自然の景物やそれに伴う人事を、主観を排してありのままに詠み上げることを指す四字熟語である。俳人・高浜虚子が提唱した「ホトトギス」派の基本理念で、「花鳥」は風雅な自然観照の心を、「諷詠」は詩歌を作る行為を表す。
蟹行鳥跡とは、蟹が横に歩くような不自然な筆運びや、鳥の足跡のように散らばった文字のことを指し、書道において稚拙で整っていない筆跡を形容する表現である。
越鳥南枝とは、南方の越の国から来た鳥が故郷に近い南向きの枝に巣を構えるという故事に基づく四字熟語で、鳥でさえ故郷を懐かしむように、人はなおさら故郷を忘れがたいという心情をたとえた表現である。『文選』所収の「古詩十九首」に典拠を持つ。
雲のように散り鳥のように消え去ることを意味し、瞬く間に跡形もなく消え失せる様子を表す。蘇軾の詩に由来する四字熟語である。
親に対する孝養の気持ちを謙遜して言う表現。烏は雛の世話を受けた恩を成長後に返すとされ、その習性に喩えて自らの心情を述べたもの。李密の「陳情表」に由来する。
一つの石を投げて二羽の鳥を仕留めるという故事に由来する四字熟語で、一つの行為を行うことで、同時に二つの利益や効果を得ることを意味する。
籠の中に飼われている鳥が空に浮かぶ雲を慕う様子から、束縛された境遇にありながら自由を切に望む心情を表す四字熟語である。