図南とは、遠大な計画や事業を企てることを指す。特に、遠方への雄飛や大志を抱くことを意味し、『荘子』逍遥遊篇に由来する。
南無は、仏や菩薩に対して深く帰依し、心から帰命することを表す語である。サンスクリット語の音訳に由来し、仏教において礼拝や祈りの際に冒頭で唱えられる。
南緯とは、赤道を基準として南側に位置する地点の緯度を指す。赤道を0度とし、南極点を90度として計測され、北緯に対応する概念である。
南から吹く風を指し、特に夏の季節風として主に西日本で用いられる語である。
地球の自転軸の南端にあたる地点、すなわち南緯九〇度の地点を指す。また、南極大陸とその周辺の地域、南極圏を総称する意味でも用いられる。さらに、磁石が南を指す方の磁極、すなわちS極を表す場合もある。これらの意味は、北極に対応する概念として捉えられる。
南中とは、天体が観測地点の子午線を通過する現象を指す。この瞬間、その天体は地平線からの高度が最も高くなる。主に太陽や月に対して用いられる表現であり、恒星の場合は「正中」という語が使われることが多い。
南蛮とは、古くは中国において南方の異民族を指した呼称であり、後に日本では室町時代から江戸時代にかけて、南方諸島や東南アジア一帯を漠然と指す語として用いられた。特にポルトガルやスペインなど南方航路で来航した西洋人を指す場合が多く、それらにもたらされた文物や文化を「南蛮風」と形容した。また、渡来品の一つである唐辛子の別称としても使われる。
南に向いていること、あるいは南を向いた状態を指す。また、古代中国において天子が南に向かって座した故事から、帝位に就くことや君主として国を治めることを意味する。
指南とは、教え導くことを指す。古代中国の、常に南を指す人形を載せた車「指南車」に由来し、方向や道理を示す比喩として用いられる。例えば「道場の指南役」のように、指導や助言を行う立場を表す。
南京は中国の長江下流に位置する工業都市であり、交通の要衝として知られる。また、中国や東南アジア方面から伝来した事物を指す接頭語として用いられ、「南京豆」などの語を形成する。さらに、野菜のカボチャを指す別称としても使われる。
南呂は中国音楽における十二律の一つで、日本の雅楽における盤渉に相当する音律を指す。また、陰暦においては八月を表す異称としても用いられる。
ウリ科のつる性一年草で、熱帯アメリカ原産である。夏に黄色い花を咲かせ、扁球形の大きな実をつける。葉は掌状で浅く五裂する。果肉と種子は食用となり、トウナスやボウブラなどの別名がある。名称は、ポルトガル人がカンボジアから伝えたことに由来する。
南燭はツツジ科の常緑低木で、暖かい地域の山中に自生します。初夏に白い壺形の小さな花を咲かせ、球形の果実は黒く熟して食用となります。漢名に由来する名称であり、「小小ん坊」と表記されることもあります。
南天はメギ科の常緑低木で、暖かい地域に自生し、庭木としても植栽される。初夏に白い小さな花を咲かせ、秋から冬にかけて赤く丸い実をたわわに実らせる。漢名の「南天燭」に由来する名称を持つ。
南鐐とは、良質の銀を指す語であり、銀そのものの別称としても用いられる。また、江戸時代に流通した二朱銀の俗称としても知られる。「鐐」の字は純度の高い上質の銀を意味する。
天南星はサトイモ科に属する多年草の総称で、山地の林床などに自生します。根生する葉は鳥の足状に大きく裂け、春には仏炎苞に包まれた独特の花穂を形成します。球茎には毒性がありますが、適切な処理を経て薬用に供されます。マムシグサやウラシマソウなどがこれに含まれ、その名称は漢名に由来しています。
白南風は、主に九州地方において梅雨明けの頃に吹く南風を指す語である。夏の訪れを告げる風として知られ、しばしば「しろはえ」とも読まれる。
黒南風は、梅雨の始まりの頃に吹く南風を指す語である。夏の訪れを告げる湿り気を含んだ風で、主に梅雨前線の活動に伴って生じる。
ツツジ科の常緑低木の総称で、主に高山に自生し、園芸用にも広く栽培される。葉は光沢のある長楕円形をしており、初夏には枝先に紅紫色のラッパ状の花が集まって咲く。漢名「石南花」の音読み「シャクナンゲ」が転じて「シャクナゲ」と呼ばれるようになった。
紅南瓜はウリ科のつる性一年草で、カボチャの一種である。果実は大きな長楕円形を呈し、黄赤色を帯びて食用となる。漢名に由来する名称であり、「金冬瓜」と表記されることもある。
「蕃南瓜」は「とうなす」と読み、カボチャの別称である。漢字表記としては「唐茄子」とも書かれる。
「越鳥南枝」は、南方の越の国から来た鳥が故郷に近い南向きの枝に巣を構えるという故事に由来し、どんなに遠く離れても故郷を懐かしむ心情を鳥にたとえた四字熟語である。『文選』所収の「古詩十九首」を出典とする。
奔南狩北とは、天子が戦乱などの難を避けるため、南や北の地へと逃れることを意味する四字熟語である。「奔」は逃げることを指し、「狩」は狩猟を意味するが、ここでは天子の逃避を婉曲に表現するために用いられている。
南洽北暢とは、君主の恩恵や威光が国の隅々まで広く行き渡り、南にも北にも滞りなく通じることを表す四字熟語である。特に、統治者の徳が天下に行き届き、遠方の地にまで及ぶ様子をいう。
南箕北斗とは、名ばかりで実質を伴わないことの喩えである。南にある箕星は簸(ひ)をかたどるが実際には簸かず、北斗七星は酒を汲む柄杓の形をしているが酒を注ぐことはないという、『詩経』の記述に由来する。転じて、見かけは立派だが何の役にも立たないものや、名実が伴わない状況を指す。
南方の異民族を指す「南蛮」と北方の異民族を指す「北狄」とを合わせた四字熟語で、広く四方の異民族や異国を総称する表現である。古来、中国を中心とした華夷思想に基づき、周辺の諸民族を指して用いられた。