水松はミル科に属する緑藻の一種で、海に生育する海藻である。その名は松の葉に似た形状に由来し、海松とも表記される。
石松はヒカゲノカズラ科に属する多年生のシダ植物で、山地に自生する。茎は地面を這うように伸び、線形の葉が密生する特徴を持つ。胞子は薬用に利用される。漢名に由来する名称であり、「日陰蔓」と表記されることもある。
松露とは、ショウロ科に属するキノコの一種で、海岸近くの松林に発生する。子実体は球状を呈し、食用に適しており、独特の芳香を持つ。また、転じて松の葉に宿る露を指すこともある。
松明とは、松の樹脂を多く含む部分に竹や葦などを束ね、火を灯して屋外で用いる照明具を指す。語源は「焚松(たきまつ)」が転じたものとされ、「炬」の字を用いて表記することもある。
松魚はサバ科の海魚で、鰹(かつお)の別名である。この名称は、鰹節が松の木の節目に似ていることに由来するとされる。
松の梢を吹き渡る風の音を指し、松籟とも呼ばれる。静寂の中に響く清らかな自然の響きを表す雅語である。
門松とは、新年を迎える際に家の門前や玄関に飾られる松のことで、松飾りとも呼ばれる。竹を添えて立てられることが多く、新年の神様を迎え、繁栄と長寿を願う縁起物としての意味を持つ。
海松はミル科に属する緑藻の一種で、浅海の岩場に生育する。茎は濃緑色の円柱状を呈し、扇状に枝分れする。食用とされ、ミルメとも呼ばれる。夏の季語として用いられ、「水松」と表記されることもある。
唐松はマツ科の落葉高木で、その名は葉の茂る様子が中国風の絵画に描かれる松に似ていることに由来する。別名を落葉松(からまつ)ともいう。
松脂とは、マツ科の樹木から滲み出る粘性のある樹脂を指す。主に印刷用インキやニス、テレビン油などの製造原料として用いられる。
杜松はヒノキ科の常緑低木あるいは小高木で、西日本の山地に自生する。針のように尖った硬い葉を持ち、球形の実は熟すと黒紫色となる。この実は漢方において利尿薬として用いられる。別名をムロやネズミサシともいい、「杜松」の名は漢名に由来する。
松籟とは、松の梢を吹き渡る風の音を指す。松風が葉を揺らして生じる清らかな響きを表し、自然の風雅な趣を感じさせる言葉である。
松楊はムラサキ科の落葉高木で、暖かい地域の山地に自生します。葉はカキの葉に似ており、初夏には白色の小さな花が密生します。材は家具の材料として用いられ、樹皮は染料として利用されます。別名をカキノキダマシともいい、「萵の木」と表記することもあります。この名称は漢名に由来するものです。
松の果実を指し、多数の鱗片状の小片が集まって球状をなしている。秋に熟すと鱗片が開いて種子を散布する。また「まつぼっくり」とも呼ばれる。
キシメジ科に属する食用キノコの一種で、主にアカマツ林に発生する。独特の芳香と風味が高く評価され、秋の味覚として珍重される。
松毬は松の果実の総称で、松かさとも呼ばれる。語源は「まつふぐり」が転じたもので、その形状が陰嚢(ふぐり)に似ていることに由来する。
松蘿はサルオガセ科の地衣類の総称で、深山に生えるマツやモミなどの針葉樹の枝や幹に着生する。糸状の体はよく分枝して垂れ下がり、その様子からサガリゴケとも呼ばれる。漢名に由来する語で、「猿麻桛」の表記も用いられる。
松の木々に吹き渡る風の音を、波の打ち寄せる響きに喩えた表現。旅の宿で耳にするその音は、自然の風情を感じさせる情景を思い起こさせる。
松柏とは、松と柏(カシワ)の木を指し、また常緑樹全般を表す語である。ともに冬でも緑を保つことから、志や節操を堅く守り変えないことの象徴としても用いられる。
マツ科の常緑低木で、高さは通常1メートル前後と低く、這うように枝を広げて生育する。高山帯の岩場や礫地に自生し、その姿から「這松」とも呼ばれる。漢名「偃松」に由来する名称である。
這松はマツ科の常緑低木で、本州中部以北の高山に自生する。幹は地面を這うように伸びてよく分枝し、針状の葉が五枚ずつつく。夏には雄花と雌花をつけ、小さな球果を結ぶ。表記は「偃松」とも書く。
喬松とは、高く聳え立つ松の木を指す。また、中国の伝説に登場する仙人である王子喬と赤松子の二人を併せた呼称でもあり、この場合は長寿や不老不死の象徴として用いられる。
椴松はマツ科の常緑高木で、主に北海道以北の地域に自生する。球果は枝に直立して付くのが特徴である。木材は建築材や家具、また製紙の原料として広く利用されている。
マツ科の常緑高木で、本州から九州の山地に自生する。葉は針状で五本が一組となり、その特徴からこの名がある。庭園樹や盆栽として広く観賞用に栽培され、材は建築や器具の用材としても利用される。別名をヒメコマツともいう。
マツモムシ科に属する水生昆虫で、池や沼などに生息する。体長は約13ミリメートル、黄褐色の体に黒い斑紋が散らばる。水面を仰向けの姿勢で泳ぐ習性があり、人を刺すと痛みを伴う。
姫小松とは、小さな松の木を指す言葉である。特に正月の子の日に、子供たちが遊びで引く小さな松のことを指す場合があり、新年の縁起物として用いられる。また、ゴヨウマツの別称としても使われる。
海松貝はミルクイガイの別称で、ミルクイバカガイ科に属する海産の二枚貝である。冬期に水管の先端に海藻のミルが付着し、あたかもミルを食べているように見えることに由来する。表記は「水松貝」とも書く。
秋唐松はキンポウゲ科の多年草で、山野に自生する。葉は羽状複葉で裏面が白みを帯び、その形状がカラマツの葉に似ていることに由来する名である。夏の終わりから秋にかけて、黄白色の小さな花を多数咲かせる。
落葉松はマツ科の落葉高木で、日本特産である。中部地方の山地に自生し、針状の葉は秋に黄葉して落ちる。樹形は円錐形に整い、春の新緑と秋の黄金色の葉が特に美しい。常緑樹が多いマツ科の中で、明確な落葉性を示す特徴を持つ。別表記として「唐松」とも書かれる。
羅漢松はマキ科の常緑高木で、暖地に自生する。葉は線形で先端が鋭く尖り、秋には白緑色の球形の果実をつける。果実の基部には赤紫色に熟す花床が発達し、食用とされる。漢名に由来する名称であり、「犬槙」とも表記する。
鳥総松とは、正月の門松を片付けた後、その跡に松の枝の先端部分を挿して立てておく飾りのことを指す。新年の期間が過ぎても松の緑を留め、縁起を担ぐ習わしである。
松葉杖は、足に障害のある人が歩行を補助するために用いる杖で、わきの下に当てて体を支える。その名は、上部が松の葉のように二股に分かれた形状に由来している。
松囃子とは、かつて正月に行われた謡初めの行事を指す。人々が華やかに装い、新年を祝って歌や舞を演じた風習である。
鳳尾松はソテツ科に属する常緑低木の名称であり、漢名に由来する。一般に蘇鉄(ソテツ)として知られる植物を指す。
白砂青松は、白い砂浜と青々とした松林が続く海岸の美しい景観を表す四字熟語である。日本の風光明媚な海辺の景色を形容する際に用いられ、清らかで優雅な自然の趣を伝える表現として定着している。「はくしゃせいしょう」とも読み、「白沙青松」と表記されることもある。
竹苞松茂は、『詩経』「小雅・斯干」に由来する四字熟語で、竹が生い茂り松が盛んに育つ様子を表し、家屋の堅固さや家族の繁栄を称える吉祥の言葉として用いられます。転じて、家門の隆盛や子孫の繁栄を祝う際の慶賀の表現ともなっています。
雪中松柏とは、雪が降り積もる厳寒の中でも松や柏が緑を保つ様子から、逆境や困難な状況にあっても志や節操を変えない堅実な人柄をたとえた四字熟語である。時代の移り変わりや苦難に耐え、信念を貫く高潔な精神を象徴する表現として用いられる。
青松落色とは、青々としていた松の色が褪せる様子から転じて、かつて親密であった友人との交わりが絶えてしまうことを喩えた四字熟語である。
松風水月は、松を渡る風の音と水面に映る月の姿を詠んだ四字熟語で、清らかで静寂に満ちた自然の風情を表す。この言葉は、澄み切った心で自然の美しさを観賞する境地を示し、唐代の太宗が『大唐三蔵聖教序』で用いたことに由来する。
松柏の木が寒さの中でも緑を保つように、逆境や困難に直面しても志や節操を変えない堅固な精神を指す。『南史』の故事に由来し、主に人物の不屈の気骨や清廉な人柄を称える表現として用いられる。
松柏之寿とは、松や柏のように長く生きることを意味する四字熟語で、長寿や長命を祝う表現として用いられる。白居易の詩にも見られるように、常緑樹である松柏の性質をたとえとして、人の寿命の長久を称えるものである。
松や柏が冬の厳しい寒さの中でも緑を保つことに由来し、節操の堅固な人物が逆境や乱世にあってもその志を変えないことのたとえ。『論語』に見える故事成語で、成徳の君子の不変の操守を称える表現である。