フトモモ科の常緑高木で、モルッカ諸島原産。熱帯地域で栽培され、淡緑色から淡紅色の花をつけ、芳香を放つ。そのつぼみを乾燥させたものはクローブと呼ばれ、香料や薬用として広く用いられる。
よいかおり。特に花や香料などから漂う、快く心地よいかおりを指す。
抹香とは、シキミの葉や樹皮を粉末にした香料であり、主に仏前で焼香として用いられる。
アユ科に属する淡水魚。漢名の「香魚」に由来し、その名の通り独特の香りを持つことからこの字が当てられる。別称として「鮎」とも表記され、「コウギョ」とも読まれる。
香料をアルコールなどに溶かして調製した液体で、主に身体や衣類に付けて香りを楽しむための化粧品を指す。また「こうずい」と読む場合は、仏前に供える香を含んだ水のことを意味する。
香車は将棋の駒の一つで、縦方向に前方へのみ何マスでも進むことができる。槍のように真っ直ぐに突き進む性質から「槍」とも呼ばれ、また香子(きょうす)ともいう。
香煎とは、麦や米などの穀物を煎って粉末にし、香料などを加えて調製した飲食物を指す。湯に溶かして飲用とするもので、麦焦がしとも呼ばれる。
香典とは、葬儀において死者の霊前に供える金銭や品物を指す。本来は香を供える代わりとして贈られるもので、香料とも呼ばれる。また、「香奠」という表記の書き換え字としても用いられる。
香や線香を焚いた際に立ち上る煙を指す。特に仏前や墓前で供養のために焚かれる場合が多く、ゆらめく煙の様子がしばしば静寂や祈りの雰囲気を伴って描写される。
香盤とは、円形の香炉を指すほか、劇場において各場面ごとの出演者と役柄を記した一覧表、あるいは客席の座席配置を示す表を意味する。
香気とは、花や果実、香料などから発せられる快い匂いを指す。特に、甘美で心地よい芳香を意味し、空間に漂うような優雅な香りを表現する際に用いられる。
香油とは、香料を加えた油のことで、主に髪や身体に塗布して香りを楽しむために用いられる。
香料とは、食品や化粧品、薬品などに良い香りを付けるために用いられる原料を指す。また、香典、すなわち葬儀の際に遺族に贈る金品を指して用いられることもある。
香を焚くために用いる器で、仏前や床の間などに置いて使用される。
中国の特別行政区で、広東省の南に位置する。九竜半島と香港島などから構成され、貿易・金融・観光業が発展している。19世紀半ば以降イギリスの植民地であったが、1997年に中国へ返還された。
速香とは、燃焼時間が短くすぐに燃え尽きてしまう、品質の劣る香を指す語である。
微香とは、かすかに感じられるほのかな香りのことを指す。周囲に漂うような強い香りではなく、そっと立ち上るような繊細なかおりを表し、整髪料や化粧品、あるいは自然の草木などから発せられる、ごく軽やかな香気を形容する際に用いられる。
新香とは、野菜を塩や糠などで漬けた漬物のうち、漬け込んで間もないものを指す。香の物の一種であり、浅漬けに近い状態で、新鮮な風味と歯ごたえが特徴である。「新しく漬けた香の物」という意味に由来し、「シンコ」と読むこともある。
香を嗅ぎ、その香りを味わい鑑賞することを指す。また、香木や調合された香の香気を聞き分け、その優劣や種類を見極める行為をも意味する。主に香道において用いられる語で、「ききこう」「かぎこう」とも呼ばれる。読みについては「ブンコウ」とする場合もある。
潤香は鮎の内臓を塩漬けにした保存食品で、独特のほろ苦い風味が特徴である。主に酒の肴として賞味され、特に秋の味覚として珍重される。
香料を練り固めて細長い線状に成形したもので、火をつけて仏前や墓前などに供え、その煙や香りによって祈りを捧げる際に用いられる。
「懐香」は「くれのおも」と読み、ウイキョウ(茴香)の古名である。漢字表記では「香」の字を含み、「呉母」とも書かれる。
センダン科の落葉高木で、中国を原産とする。庭園樹や街路樹として植栽され、初夏には白色の小花を多数咲かせる。枝や葉、花には特有の芳香があり、材質は堅く、家具や楽器の材料として用いられる。
「拈香」とは、仏前や墓前において香を指先でつまみ、香炉にくべる行為を指す。焼香と同義であり、仏教儀礼における敬意や供養の表現として行われる。表記としては「捻香」と書かれることもある。
セリ科の多年草で、南ヨーロッパを原産とする。独特の芳香を持ち、夏には枝先に黄色い小花を多数咲かせる。その果実は香味料や薬用、香油の原料として用いられ、フェンネルとしても知られる。
香蒲はガマ科に属する多年草で、池や沼地などの水辺に群生する。漢名に由来する名称であり、蒲(がま)とも呼ばれる。
香橘はミカン科の常緑低木を指す語であるが、これは漢名からの誤用であり、正しくは九年母(クネンボ)と呼ばれる。
香合とは、香を収納するための蓋付きの容器を指す。主に香道において抹香や練香を保管し、その香りを保つために用いられる。形状は様々で、漆器や陶磁器、木製のものなどがあり、香を楽しむ際の重要な道具の一つである。
香欒はミカン科に属する常緑の小高木で、朱欒とも呼ばれるザボンを指す名称である。
香螺はイトマキボラ科に属する巻貝で、浅い海の砂底に生息する。細長い紡錘形の殻を持ち、その卵の袋は「うみほおずき」と呼ばれて子供の遊び道具となる。肉は食用にされ、夏の季語としても用いられる。表記には「長螺」の字を当てることもある。
ジンチョウゲ科の常緑低木を指す。漢名「瑞香」に由来し、「ズイコウ」とも読む。春に芳香のある小花を咲かせることから、沈丁花の別名としても知られる。
ビャクダン科に属する半寄生性の常緑高木で、白檀とも呼ばれる。漢名「檀香」に由来する名称であり、香木として知られ、芳醇な香気を放つ。
馨香とは、かぐわしく良い香りを指す。また、徳の香りが遠くまで広がることを喩える表現としても用いられる。
麝香は、ジャコウジカの雄の下腹部にある香嚢から採取される分泌物を乾燥させたもので、黒褐色の粉末状を呈する。独特の強い芳香を持ち、古来より高貴な香料として珍重されるとともに、漢方薬などの薬料としても用いられる。
死者を偲ぶ際に焚くと、その姿が煙の中に浮かび上がるとされる香。中国の故事に由来し、漢の武帝がこの香を焚いて亡き夫人の面影を目にしたという伝承に基づく。
ツバキ科の常緑高木を指す。漢名の「厚皮香」に由来し、木斛(もっこく)とも呼ばれる。
香附子は、ハマスゲの塊茎を乾燥させた生薬であり、主に月経不順や月経痛などの婦人科疾患の治療に用いられる。
香具師は、祭礼や縁日など人の集まる場所で、見世物を興行したり、物品を販売したりする者を指す。語源の一説には、かつて香料などを売り歩いたことに由来するとされる。表記は「野師」や「弥四」と書かれることもある。
唐木香はキク科の多年草で、インド北部を原産とする。暗紫色でアザミに似た花を咲かせ、その根は芳香と苦味を有する。漢方においては健胃薬として用いられ、「木香」と表記されることもある。
我毛香はバラ科の多年草で、別名を吾亦紅とも書く。夏から秋にかけて暗紅色の小花を穂状に咲かせ、その地味ながらも趣深い風情が愛でられる。
沈水香とは、沈香の別称であり、主に東南アジアに分布するジンチョウゲ科の樹木が何らかの要因で樹脂を蓄積し、長い年月をかけて熟成した香木を指す。水に沈むほど密度が高い良質なものを特にこう呼び、加熱すると独特の深い香気を放つことから、古来より香料や薬材として珍重されてきた。
麝香鹿はシカ科の哺乳類で、アジア大陸に生息する。体は小型で、雄には角がなく代わりに発達した牙があり、腹部には麝香を分泌する特有の香嚢を持つ。
麝香腺とは、麝香を分泌する器官のことで、麝香鹿や麝香猫などの生殖器付近に位置している。
トガリネズミ科に属する哺乳類で、北アフリカや日本の鹿児島・沖縄などに生息する。外見はドブネズミに似るが、より顔つきが鋭くとがっている。主に昆虫やミミズなどを捕食し、体から強い悪臭を放つことが特徴である。
昔の優れた人物や風俗の名残を指す四字熟語で、先人から受け継がれた教えや、古くから伝わる風習の余韻を意味する。
暗香蓊勃とは、かすかに漂う花の香りが次第に濃厚に立ち込める様子を表す四字熟語である。主に梅の花などの芳香が辺り一面に満ちる情景を描写する際に用いられ、『月瀬記勝』の斎藤拙堂の文章にその例を見ることができる。
暗香疎影とは、ほのかに漂う梅の香りと、月明かりに照らされて枝に映る淡い影を指す四字熟語である。中国宋代の詩人・林逋が詠んだ「山園小梅」の詩句に由来し、清らかで奥ゆかしい梅の風情を、視覚と嗅覚の両面から捉えた優雅な表現である。
憐香惜玉とは、女性の美しさやはかなさをいとおしみ、慈しむ気持ちを表す四字熟語である。特に、唐の伝奇小説『柳毅伝書』に由来し、竜女のような美しい女性に対する深い同情と愛惜の情を指す。
粉愁香怨とは、女性の深い悲しみや恨みを、香りにたとえて表現した四字熟語である。花の香りが漂う中に漂うような、しとやかながらも切ない愁いや怨みの情感を表す。主に詩歌などで用いられ、繊細で物悲しい情緒を描写する。
天香国色とは、牡丹の美しさを称える四字熟語で、その花の芳香が天の香りを思わせ、その容色が国の代表となるほどの美しさであることを表しています。『松窓雑録』にも見られる表現で、牡丹の別名として用いられています。
天香桂花とは、桂花の芳香が天にまで届くほどに高く薫ることを表す四字熟語で、『長生殿』に典拠を持つ。