十方とは、四方(東西南北)と四隅(南東・南西・北東・北西)、さらに上下を加えた十の方位を指す。転じて、あらゆる方向や、世の中の隅々までを広く意味する語であり、仏教用語として「十方世界」などの表現で用いられる。
三方(サンポウ)は、三つの方向や面を指すほか、神仏や貴人への供物を奉る際に用いる台のことも意味する。この台は前・左・右の三面に穴が開いており、古くは食事の膳としても使われた。また、「サンボウ」と読む場合もある。
上方とは、主に京阪地方を指す語であり、広く関西地方を意味する。明治維新以前に京都に皇居があったことから、都に近い地域をこう呼んだことに由来する。
「大方」は、物事の大部分やほとんどを指す場合に用いられ、例えば「大方の人が賛成した」のように使われる。また、世間一般の人々やその予想を表す際にも使われ、「大方の予想に反する結果となった」といった表現が可能である。さらに、推量を表す副詞としても機能し、「彼は大方到着しているだろう」のように、ほぼ確実と思われる事柄について「おそらく」という意味で用いられる。
「六方」は、まず東西南北と天地を合わせた六つの方向を指す。また、六つの平面で構成される立体を意味する場合もある。さらに歌舞伎では、役者が花道から揚げ幕へ入る際の独特の歩き方を表し、手を大きく振り足を高く上げる様式を「六方を踏む」と表現する。この歌舞伎関連の用法は「六法」と表記されることもある。
方形と円形を指し、四角と丸の形状を表す。転じて、物事の形状や形式の違いを意味し、「水は方円の器に随う」のように、環境や条件に応じて形を変える喩えとして用いられる。
方角とは、東西南北などの方位を示す言葉であり、地図や空間認識において基準となる方向を指します。また、物事の進む向きや、目標や位置のおおよその見当を表す際にも用いられます。
方眼とは、縦横に等間隔で引かれた線によって形成される正方形の区切りのことで、主に図面やグラフの作成に用いる方眼紙のようなものを指す。
四つの角を持つ図形を指し、特に四辺が直線で構成される四角形を意味する。正方形や長方形など、角が直角であるものを含むが、より広く四角い形状一般を表す場合もある。
方言とは、同一の国語体系内において、特定の地域社会で用いられる言語変種を指す。それは音韻、語彙、文法などの面で標準語や共通語と異なる特徴を持ち、その地域の歴史や文化を反映した独特の言葉遣いとして捉えられる。
「方人」は、歌合わせなどの競技において二組に分かれた際の一方の組に属する人々を指す。また、より広く味方や仲間を意味する場合もある。「かたひと」と読まれることもある。
「方便(たつき)」とは、物事を始める際の手がかりや、状況を知るための手段を指す。また、生活を営むための方法、すなわち生計の意味でも用いられ、例えば「アルバイトを方便とする」などの表現がある。表記としては「活計」と書くこともある。読み方としては「たずき」とも読まれ、「ホウベン」と読む場合は別の意味となる。
物事を行う際に定められた一定の手順や形式、またその体系を指す。特に、作業や手続きを進めるための決まった方法として用いられる。
方舟とは、四角い形をした船を指す。特に旧約聖書に登場するノアの方舟が著名であり、神の怒りによる大洪水から、ノアとその一族、そして各種の動物のつがいを救うために用いられた方形の船を意味する。表記としては「箱船」と書くこともある。
方位とは、東西南北を基準として定められる方向を指す。また、陰陽道などにおいて、吉凶を判断するための方角という意味も持つ。
方丈とは、元来は一丈四方の広さを指し、その広さの住居を意味する。後に寺院において長老や住職が居住する建物を指すようになり、転じてその住職自身を表す語としても用いられる。
方図とは、物事の限界や境界を指す語で、主に否定形の「方図がない」という表現で用いられる。これは、程度や範囲が際限なく、収拾がつかない状態を表す。また、かつては「野方図な生活」のように、定められた枠組みに捉われない自由奔放なありさまを意味することもあった。
方正とは、心の持ち方や行動が正しく、偏りや誤りのない様子を指す。品行方正という表現に代表されるように、人の道徳性や態度がきちんとしていることを表す語である。
方途とは、物事を進める上での方向性や方法、また目指すべき道筋を指す。将来の進路や計画を立てる際の指針となるものであり、方針とほぼ同義で用いられる。
「片方」は、対をなすもののうちの一方を指す。また、全体の半分や一部分を表すこともあり、傍らやそばという意味でも用いられる。傍らにいる人を指す場合もある。なお、「かたえ」のほか、「かたほう」と読むこともある。
四方(よも)は、東西南北の四方向を指す語であり、前後左右の意味も含む。また、あちこちやいたるところを表す場合にも用いられ、例えば「四方を巡り歩く」のように、広く方々を回る様子を表現する。なお、「しほう」とも読まれる。
同じ数を二度掛けること、またその結果得られる数を指す。幾何学においては正方形を意味し、例えば「五メートル平方」のように辺の長さを表す修飾語として用いられる。また、面積の単位を示す際にも使われ、「床面積六十平方メートル」のように単位の前に付けて表現する。
立方とは、ある数や式を三回掛け合わせることを指し、その結果得られる値も意味する。また、長さの単位に前置して体積の単位を形成する接辞としても用いられ、例えば立方メートルのように表される。
吉方は、その年の干支に基づいて定められる縁起の良い方角を指し、新年の行事などで重視される。塞がりとも呼ばれ、古くから恵方とも表記される。
合方は、能楽において大鼓や小鼓、笛などで囃子を担当する演奏者を指す。また、邦楽全般では三味線などの楽器を演奏する人を意味する。さらに歌舞伎では、主に三味線を用いて舞台の効果を高めるための音響演出を担う役割も指す。
「じかた」と読む場合、舞踊の伴奏音楽やそれを担当する人を指す。能楽においては地謡やその役割を担う人を意味する。また、立方(たちかた)の別称としても用いられる。江戸時代の文脈では、農村や町方を示す村方(むらかた)・町方(まちかた)の意味で使われた。なお、「ちほう」と読む場合は別の語義となる。
「何方」は「どなた」と読み、人物を丁寧に尋ねる際に用いられる語である。「どちら様」と同義で、「だれ」の敬語表現に相当する。また、方向を問う「どちら」の意味でも用いられ、例えば「何方からお越しですか」のように使われる。
病気やけがの状態が回復に向かうことを指し、症状が改善されつつある段階を表す。
物事を観察したり理解したりする方法や視点を指す。また、ある事柄に対する考え方や解釈、立場を表し、特定の角度から形成された意見や見解を意味する。
身方とは、対立する関係において自分が所属する側、あるいは自分と立場を同じくする仲間を指す。また、そのような対立構造の中で一方を支持し、加勢する行為も意味する。表記としては「御方」や「味方」と書くこともある。
味方とは、敵対する相手に対して自分と同じ側に立つ者を指し、またそのような立場で人を支持したり力を貸したりする行為をも意味する。古くは「身方」や「御方」とも表記された。
「彼方」は「あちら」と読み、話し手や聞き手から離れた場所や方向を指す。また、特定の人物を婉曲に示す際にも用いられる。さらに、外国、特に欧米諸国を意味する場合もある。参考として「かなた」と読むと、より遠隔の地点を示すニュアンスが強まる。
劇場や演芸場などにおいて、観客対応や座席案内、入場券販売など、客席側の業務を担当する人々を指す。舞台裏の裏方に対し、表方と呼ばれる。
借方とは、金銭や物品を借りる側の者を指す。また、複式簿記においては、資産の増加や負債・資本の減少、費用の発生などを記録する勘定口座の左側を意味し、貸方と対をなす概念である。
根方とは、植物の根元の部分を指す語で、特に樹木の幹が地面に接するあたりをいう。また、転じて物の下部や基底を表す場合にも用いられる。
途方とは、物事を行う際の方法や手段を指し、また物事の筋道や道理を表す語である。行うべき手立てが見つからず途方に暮れるというように、方針や手段の意味で用いられる。一方で、途方もないと言えば、道理から外れており常識では測れない様を意味する。
頼りとして身を寄せることができる人や場所、特に困った時に助けを求められる親類などを指す。
物事の大部分や全体のおよその様子を表す。ほぼ全部に近い状態や、細部を省略した大まかな内容を指す際に用いられる。
身分の高い人の妻を敬っていう語。夫人や令室などと同様の敬意を込めた呼称である。
「貴方」は、同輩や目下の者に対して用いる二人称の代名詞である。また、親しい間柄、特に夫婦間で相手を呼ぶ語としても用いられ、この場合、妻が夫を呼ぶ際に使われることが多い。表記は「貴男」「貴女」と書き分ける場合もある。古くは目上の人に対する敬称として用いられていた経緯を持つ。
貸方とは、金銭や物品を他者に貸し付ける立場にある者を指す。また、複式簿記においては、負債や資本の増加、あるいは資産の減少を記録する右側の勘定欄を意味し、借方と対をなす概念である。
親方とは、職人や奉公人などの集団を統率する長を指す。また、相撲の世界においては、年寄りに対する敬称として用いられる。
八つの方角、すなわちあらゆる方向を指す語。四方に加えて四隅を含めた全方向を意味し、転じて物事のあらゆる方面や角度を表す際にも用いられる。
公方とは、朝廷や幕府を指す語である。特に武家政権においては、将軍家や幕府そのものを意味し、江戸時代には将軍を敬って「公方様」と呼んだ。
兄方は陰陽道において、その年の干支に基づいて定められる縁起の良い方角を指す。新年の祝い事などでめでたい方向とされ、恵方や吉方とも表記される。
「其方」は「そちら」と読み、相手のいる方向や場所を指す。また、相手の近くにある物事や、相手自身を指す場合にも用いられる。話し言葉では「そっち」とも言い、文脈によっては「そなた」や「そち」と読まれることもある。
「其方」は、方向や場所を指して「その方面」を意味するほか、対話において目下の者を呼ぶ二人称代名詞として用いられる。読みは「そなた」であり、同様の用法を持つ「そち」や「そちら」と関連する語である。
十方暮は暦注の一つで、甲申から癸巳までの十日間を指す。この期間は方角や場所の気が塞がり、相談事がまとまりにくく、万事において凶とされる。
数学において、未知数を含む等式を指し、その未知数に特定の数値を代入したときにのみ成立するものをいう。語源は中国の数学書『九章算術』の章名「方程」に由来する。
ホウボウ科に属する海産魚の一種で、体色が鮮やかな赤色をしていることから「火魚」とも呼ばれる。頭部が大きく、胸びれを広げて海底を這うように移動する独特の生態を持つ。
方済各は、スペイン出身のイエズス会宣教師で、日本に初めてキリスト教を伝えた人物として知られる。フランシスコ・ザビエルの漢字表記である。
医師が患者の病状に基づき、薬剤の名称・分量・用法などを記載し、薬剤師に対して調剤を指示するための書面。
四方山は、四方八方(よもやも)が転じた語で、あちこちや様々な方面を指す。そこから転じて、世間一般の話題や雑多な事柄を意味し、例えば「四方山話」のように、取り留めのない世間話や雑談を表す際に用いられる。
四方手とは、馬具の鞍において前輪と後輪の左右に取り付けられる革紐のことを指し、胸懸と鞦を結びつける役割を担う。
四つの辺の長さがすべて等しく、かつ四つの角がすべて直角である四角形を指す。
歌舞伎における女形の役柄の一つで、年増や老女など中年以降の女性役を指す。また、その役を専門に演じる役者を意味する。「華車方」と表記されることもある。
直方体とは、六つの面がすべて長方形で構成される立体であり、向かい合う面が平行で合同な平行六面体の一種である。特に全ての面が長方形であることから、角柱の一種としても捉えられる。
薬局方とは、国が定める薬事法規に基づき、医薬品の性状や純度、強度などの品質基準を規定した公定書を指す。特に日本においては「日本薬局方」の略称として用いられることが多い。
歌舞伎における役柄の一つで、主に老年の男性を演じる役を指す。親仁役とも呼ばれ、年長者としての威厳や経験を帯びた人物像を表現する。
円顱方趾とは、人間の頭部が丸く足が四角い形状をしていることに由来し、広く人類全体を指す表現である。古代中国の思想に基づくこの語は、天が円く地が方であるという宇宙観を人体に投影したもので、転じて「円い頭と四角い足を持つ者」すなわち人間一般を意味する。
「方恣佚楽」は、自分の思うままに振る舞い、享楽にふけることを意味する四字熟語である。規律を顧みず、気ままに遊び楽しむ様子を表す。