「三楽」とは、古代中国の思想書に由来する二つの概念を指す。一つは『孟子』に見られる君子の三つの楽しみであり、家族が平穏に暮らし、自らの行いに恥じるところがなく、天下の優れた人材を集めてこれを教え導くことをいう。もう一つは『列子』に説かれる人生の三つの喜びで、人間として生まれたこと、男性として生まれたこと、そして長寿を全うすることを意味する。なお、「サンゴウ」と読む場合は別の語義となる。
文楽は、義太夫節の語りに合わせて操り人形を動かす人形浄瑠璃の一種であり、江戸時代に大坂で興った文楽座に由来する名称である。
田楽は、平安時代の田植え祭りで演じられた舞楽を指し、後に鎌倉・室町時代にかけて田楽能へと発展した芸能である。また、串刺しにした豆腐に味噌を塗って焼いた料理「田楽豆腐」、あるいは同様の調理法で野菜や魚を用いた「田楽焼」を略して田楽と呼ぶこともある。
心配や苦労がなく、気持ちが安らいでいる様子を指す。また、物事にこだわらず、気持ちを楽に構えているさまや、そのような性質を表す。
声楽とは、人間の声を主たる表現手段とする音楽の分野を指す。特にオペラや合唱などにおいて、発声技術や表現法を体系化した芸術であり、これに携わる専門家は声楽家と呼ばれる。楽器を用いる器楽に対置される概念である。
法楽とは、仏法を信じて善行を積むことに喜びを見出すことを指す。また、法会において経典を読誦し音楽を奏でて仏を供養する行事をも意味する。転じて、気晴らしや娯楽を表す場合もあり、「放楽」と表記されることもある。
苦しみと楽しみ、つまり辛いことと喜ばしいことを併せて指す言葉で、人生における相反する二つの経験を表す。特に親しい間柄で互いの辛さや喜びを分かち合う関係を形容する際に用いられる。
楽器を演奏すること、またその演奏される音楽を指す。特に複数の楽器による合奏を意味し、音楽を奏でる行為そのものや、その結果として生まれる調べを表す。
独楽は、木や金属などで作られた円盤状の胴に軸を通し、手や紐で回転させて遊ぶ玩具を指す。特に正月の遊びとして親しまれ、回し続ける技を競うこともある。
神楽とは、神事において神を祀るために奏される舞楽を指す。神社の拝殿などで演じられ、神への奉納として行われる。また、転じて歌舞伎や芝居の囃子の一つを指す場合もある。
音を用いて感情や思想を表現する芸術の一形態であり、器楽や声楽などの手段を通じて聴覚に訴えかける。
酒宴を催して飲食や遊興を共にし、歓びを尽くすこと。また、そのような宴そのものを指す。
仕事や学業などの義務から離れた時間に、心を楽しませたりくつろいだりするための活動や行為を指す。
気ままに遊び楽しむこと、またそのような楽しみを指す。日常の束縛から離れて快楽にふけることを意味し、「逸楽にふける」などの形で用いられる。「佚楽」と表記することもある。
極楽とは、仏教において阿弥陀如来が住まうとされる西方浄土のことで、一切の苦しみから解放された安楽の世界を指す。転じて、現世において心配や苦痛が全くなく、非常に安らかで楽しい状態や場所を喩える表現としても用いられる。
道楽とは、本業とは別に趣味として楽しむことを指し、特に食道楽のように特定の分野に熱中する場合に用いられる。また、転じて賭け事や遊興にふけり、身を持ち崩すような放蕩な振る舞いを意味することもある。
楽隊とは、主にパレードや式典などの行事において、複数の楽器を演奏する人々の集団を指す。音楽隊とも呼ばれ、行進に合わせて演奏を行うことが多い。
楽屋とは、劇場や演芸場などにおいて、出演者が舞台に出る前の準備や本番後の休息、衣裳の着替えなどを行うための部屋を指す。また、転じて、表には見えない物事の内情や裏側を意味し、特に芸能界や特定の業界における非公開の事情や話を「楽屋話」などと表現する際に用いられる。
楽器とは、音楽を奏でるために用いられる道具の総称であり、弦をはじいたり擦ったりする弦楽器、息を吹き込んで音を出す管楽器、打撃によって音を生じさせる打楽器など、様々な種類に分類される。
祭礼の際に飾り付けを施し、人々が引いて練り歩く車を指す。主に関西地方で用いられる呼称であり、地域によっては「だし」や「やま」ともいう。「檀尻」や「山車」の表記も見られる。
楽士とは、音楽を演奏することを生業とする者を指す。特に雅楽や伝統芸能において楽器を演奏する専門家を意味し、現代では広く音楽家全般を指すこともある。
楽髪とは、安楽な生活を送っていると頭髪の伸びが早くなるということを表す語である。苦労すると爪の伸びが早いという「苦爪」と対をなす表現として、「苦爪楽髪」という形で用いられることもある。
楽勝とは、容易に勝利を得ることを指す。競技や勝負事において、相手を圧倒するなどして苦労せずに勝つ様子を表し、大差での勝利や手応えのない勝利といったニュアンスを含む。
楽焼は、ろくろを用いず手で成形し低温で焼成される陶器を指す。また、素焼きの陶器に客自らが絵や文字を描いて焼き上げる体験型の陶芸も意味する。名称の由来は、創始者である長次郎が豊臣秀吉から「楽」の金印を賜った故事に基づくとされる。
「楽楽」は、気持ちや動作が非常に楽である様子を表す。心に負担がなく安らかな状態で過ごすことを指し、また、困難と思われることをいとも簡単にこなす様をも示す。
舞楽とは、雅楽の分野において、管弦の合奏を伴奏として舞を演じる芸能を指す。
声楽を伴わず、楽器のみによって演奏される音楽の総称。独奏や重奏、管弦楽など、様々な編成による演奏形態を含む。
申楽は、奈良時代に中国から伝来した散楽を源流とし、発展した芸能を指す。初期は物まねや曲芸などを含む演芸であったが、後に洗練され、室町時代に確立した能や狂言の基盤となった。また、能楽の古い呼称としても用いられ、「猿楽」や「散楽」とも表記される。
伎楽は、仮面をかぶり楽器の演奏に合わせて無言で舞う古代の芸能である。その起源はインドにあり、百済を経て日本に伝来したとされる。
伯楽(バクロウ)は、牛馬の売買やその仲介に従事する者を指す語である。その由来は、中国周代に優れた馬を見分ける能力で知られた人物「伯楽(ハクラク)」にあり、その名が転じてこの職業を表すようになった。表記としては「博労」や「馬喰」とも書かれる。
散楽は平安時代に流行した芸能で、滑稽な物真似や軽業などを総称する。後に能や狂言の源流となったことから、これらの芸能の古称としても用いられる。表記は「猿楽」や「申楽」とも書く。その語源は、奈良時代に中国から伝来した古代芸能「散楽(さんがく)」が転じたものとされる。
楽府とは、中国漢代に音楽を司る役所を指す語に由来し、後にそこで採集された詩歌をも指すようになった。漢詩の形式の一つで、定型詩とは異なり、句の長短を交えながら自由な抑揚と変化を持たせた古体詩を指す。
佚楽とは、気ままに遊び楽しむことを指す。心の赴くままに娯楽にふける様を表し、「逸楽」とも表記される。
妓楽とは、遊女や芸妓などが宴席で披露する音楽や舞踊を指す言葉である。
燕楽とは、酒宴を催して音楽や舞踊を楽しみながら遊興することを指し、その宴そのものを表すこともある。「宴楽」とも書く。
千秋楽とは、演劇や相撲などの興行が行われる期間の最終日のことを指す。その由来は雅楽の曲名にあり、法会の最後に演奏されたことに因む。また、「千龝楽」と表記されることもある。
太平楽とは、平穏な世の中を前提に、のんきに構えて勝手気ままなことを言う様子を指し、特に「太平楽を並べる」という形で用いられる。また、天下泰平を祝う雅楽の曲名としての意味も持つ。
灰神楽とは、火の気が残る灰の中に湯や水などを注いだ際に、勢いよく舞い上がる灰煙の様子を指す。その様が神楽の舞のようであることからこの名がある。
張った弦を指や弓などで弾いたり擦ったりして音を出す楽器の総称で、ヴァイオリンや三味線などがこれに当たる。「絃楽器」とも表記する。
滋賀県甲賀郡信楽地方を産地とする陶器で、室町時代に茶器として評価が高まり、広く知られるようになった。素朴な土味と自然な釉薬の景色が特徴である。
後生楽とは、死後の安楽な世界を信じて心を安らげることを指す。また、転じて何事にもとらわれず、気楽に構えている様子も表す。
神楽月は陰暦十一月の異称で、宮中や伊勢神宮などでその月に行われる神楽に由来する。霜が降り寒さが厳しくなる時期であり、神事を中心とした呼び名として用いられる。
雅楽頭とは、律令制において宮廷音楽を司る雅楽寮の長官を指す。雅楽寮は儀式や宴会で演奏される音楽の管理と指導を担い、その長官である雅楽頭は楽人の統括や楽曲の選定など、宮廷音楽全般の責任者としての役割を果たした。
雅楽寮は、律令制において宮廷音楽を司った役所である。雅楽の演奏や楽人の育成を主な職掌とし、読み方は「うたりょう」のほか「ががくりょう」ともされる。
子孫に家督を譲り、世間の煩わしさから離れて気ままに暮らすこと。また、そのような境遇にある人を指す。
管に息を吹き込み、その内部の空気柱を振動させることで音を発する楽器の総称であり、吹奏楽器とも呼ばれる。主に木管楽器と金管楽器に大別され、フルートやクラリネット、トランペット、トロンボーン、また日本の尺八などがこれに含まれる。
管楽器、弦楽器、打楽器などを組み合わせた大規模な編成による器楽演奏、またはその音楽を指す。オーケストラと同義であり、管絃楽の書きかえとして用いられる。
伎楽面は、古代日本に伝わった仮面劇である伎楽で用いられる仮面を指す。頭部全体を覆うように大きく作られ、その多くは力強い造形と誇張された表情が特徴である。
独楽鼠はネズミ科に属する小型哺乳類で、その名は独楽のようにくるくると回る習性に由来する。別名を高麗鼠ともいう。
張った弦を弾いたり擦ったりして音を出す楽器の総称で、弦の振動によって音が生み出される。表記としては「弦楽器」とも書かれる。
管楽器と弦楽器を主体とする楽器編成による音楽の総称で、特に西洋音楽におけるオーケストラの演奏形態を指す。
橘の中に二人の老人が向き合って将棋を楽しむという中国の故事に由来し、将棋や囲碁のような盤上遊戯に没頭する楽しみを指す四字熟語である。
歓楽哀情とは、歓びや楽しみが頂点に達すると、かえって哀しみや物憂い感情が湧き起こるという人間の心理を表す四字熟語である。漢の武帝が詠んだ「秋風辞」に由来し、享楽にふけりすぎると虚無感や悲哀を覚えるという人生の機微を説いた表現として用いられる。
活計歓楽とは、贅沢を尽くして享楽にふける生活、あるいはそのような暮らしぶりを指す四字熟語である。