方舟とは、四角い形をした船を指す語である。特に旧約聖書に登場するノアの方舟として広く知られ、これは神が起こした大洪水から、ノアとその一族、そして各種の動物のつがいを救うために用いられた箱形の大きな船を意味する。表記としては「箱船」と書くこともある。
田舟とは、泥深い水田において、稲の苗や肥料、農具などを運搬するために用いられる、底が浅く小型の舟のことである。
舟歌とは、船を漕ぎながら船頭や船乗りが口ずさむ歌のことで、櫂の動きに合わせたリズムや作業の様子を歌うことが多い。船歌とも表記され、水上の労働や旅情を反映した素朴な歌謡を指す。
舟を用いて物資や人を運搬すること。また、河川や湖沼、沿岸部などでの船舶による交通全般を指す。かつては物流の重要な手段として、河岸などの水辺の集落を発展させた。
端舟とは、帆やエンジンなどの動力を持たず、主に手漕ぎで動かす小型の舟を指す。はしけやボートに相当し、岸と大型船舶の間で人や貨物を運ぶ用途などに用いられる。端艇(たんてい)とも呼ばれる。
舟と櫂を指す言葉であり、転じて船そのものを意味する。また、船を用いて貨物を輸送することを指し、水運を表す場合もある。
舟筏とは、舟と筏の両方を指す語であり、水上を移動するための乗り物全般を広く意味する。
苫舟とは、茅や藁などで編んだ苫で屋根を覆った舟のことで、雨や日差しをしのぐための簡素な屋根舟を指す。
扁舟とは、舟底が平らで浅く造られた小さな船のことを指す。主に川や湖などの穏やかな水面で用いられ、軽快な操縦性が特徴である。
淀舟とは、大阪平野を流れる淀川において、貨物や旅客の輸送に用いられた舟を指す。
高瀬舟とは、川の浅瀬を航行するために考案された船舶で、船底が平たく浅い構造を特徴とする。この形状により、水深の少ない水域でも容易に操船することができる。名称の「高瀬」は浅瀬を指す古語に由来する。
一身軽舟とは、大河に小舟を浮かべていると、自らもその軽やかな舟に身を委ねたかのように感じ、心が晴れやかで自由になる境地を表す。中国唐代の詩人、常建の詩「西山」に由来する四字熟語である。
仏教用語で、同じ月を止まっている舟、北へ進む舟、南へ進む舟から見るとそれぞれ異なって見えるように、仏の教えは一つであっても、衆生の立場や受け止め方によって様々に解釈されることを表す。『華厳経疏演義鈔』に由来する。
竜舟鷁首とは、貴人が乗る船を指す四字熟語である。二隻一対で用いられ、一隻は船首に竜の頭を、もう一隻には水鳥の鷁の首の形を彫刻して飾ったことに由来する。
不繋之舟とは、岸に繋がれていない舟のことで、世俗の束縛から解き放たれた自由な心境を表す。また、定住せずに漂泊する人の喩えとしても用いられる。この語は『荘子』列禦寇篇に由来する。
風雨同舟とは、嵐の中で同じ船に乗り合わせた者たちが、互いに助け合って困難を乗り越える様子を表す。転じて、苦境に立たされた人々が協力し合い、共通の難局に対処することを意味する。
「呑舟之魚」は、『荘子』庚桑楚篇に由来する四字熟語で、舟を飲み込むほど巨大な魚を指す。ここから転じて、通常の尺度では計りきれないほど並外れて大きな物事や、法網をくぐり抜けるほどの大人物を喩える表現として用いられる。
「楚越同舟」とは、本来は犬猿の仲とも言える楚と越の者が同じ舟に乗り合わせることを指し、仲の悪い者同士がやむを得ず同じ場所や境遇に居合わせることを喩えた四字熟語である。『孫子』に由来し、「呉越同舟」と同義で用いられる。
積羽沈舟とは、羽毛のような軽いものでも大量に積み重なれば舟を沈めるほどの重みとなることから、些細なことでも積もり積もれば重大な結果を招くという喩えである。『戦国策』魏策に由来する四字熟語で、「積羽舟を沈む」と訓読する。