片言とは、言葉の断片や短い言葉のやりとりを指し、通りすがりに交わすような軽い会話を意味する。また、幼児や外国人が話すような、たどたどしく不完全な言葉や話し方を表すこともある。さらに、一方だけの言い分や片方の主張を指す場合もある。「へんげん」とも読む。
片時とは、ほんのわずかな時間、瞬きするほどの短い間を指す。一時の半分という語源から、極めて短い時間のたとえとして用いられ、受けた恩を片時も忘れないといった表現で、少しの間も途切れずに続く心情を表す。
「片方」は、対をなすもののうちの一方を指す。また、全体の半分や一部分を表すこともあり、傍らやそばという意味でも用いられる。傍らにいる人を指す場合もある。読みは「かたえ」のほか、「かたほう」と読むこともある。
片肘とは、左右の肘のうちの一方を指す語である。両肘と対比される表現であり、例えば「片肘をつく」のように用いられる。なお、「肩肘」と表記した場合は、肩と肘の両方を指す別の語となる。
片陰とは、ある方向から見て物に遮られて陰となる場所を指す。また、特に夏の午後に日差しが当たらない涼しい場所を意味する。
駕籠や重い物を二人で棒に担いで運ぶ際の、一方の担ぎ手を指す。そこから転じて、何かを共同で行う相手、特に計画や行動を共にする仲間を意味する。悪事などの共犯者として関わる場合にも用いられる。
片口とは、一方のみの言い分や主張を指し、物事の一面だけを述べた発言を意味する。また、注ぎ口が片側にだけ付いた鉢や銚子などの容器のこともいう。
片身とは、体の半分を指す語で、特に魚を背骨に沿って縦に二つに割った一方を指す。また、衣服において身頃の半分を意味することもある。
片雲とは、空に浮かぶ小さな雲の一片を指す語で、特に青空にぽつりと一つ浮かぶ、あるいは風に吹かれてちぎれたように見える雲を表現する際に用いられる。
片言とは、わずかな言葉や短い一言を指す。相手の言葉を注意深く聞き逃すまいとする様子を表す際などに用いられる。また、「かたこと」と読む場合もある。
硬い物が壊れた際に生じる小さなかけらのことを指す。例えば、ガラスや陶器などが砕けたときにできる細かな断片をいう。
紙の切れ端、あるいは一枚の紙を指す語。小さく断片となった紙片や、一枚の紙そのものを表し、書き付けなどに用いられるものをいう。
全体から切り離された一部分、または本来のまとまりが失われて細かく分かれたもの。特に、話や記憶などが不完全で連続性を欠いている状態を指す。
薄く平たいものを数える際に用いる語で、主に紙や花びら、雪など軽やかで繊細な一枚を指す。
片食とは、朝夕二回の食事が慣例であった江戸時代において、そのうちの一回分の食事を指す語である。また、食事の回数を数える助数詞としても用いられる。
片肌とは、上半身の片側の肌、特に肩から腕にかけての部分を指す。また、衣服を片方の肩から脱いだ状態を表すこともあり、「片肌脱ぐ」という慣用句では、力を貸して援助するという意味で用いられる。
片才とは、わずかな才能や少しばかりの技芸を指す言葉であり、多くは謙遜の意を込めて用いられる。
片辺とは、ある場所の端や隅、あるいは中心から離れた辺境の地を指す。村落の外れに建つ小屋や、人里離れた山中に結ぶ庵など、やや僻遠で人目につきにくい場所を表現する際に用いられる。
「片木」は、ヒノキやスギなどの木材を薄くはいだ板を指し、特に「片木板」の略称として用いられる。この薄板は、食物を包むための材料としても使われる。また、その板を折り曲げて作られた、供物を載せる角形の盆(折敷)や折り箱のことも意味し、この場合には「折ぎ」と表記されることもある。
片羅とは、紙幣や札びらを指す語である。また、薄い一枚の紙を意味するほか、特に二〇〇字詰めの原稿用紙を俗にこう呼ぶことがあり、これは「半片羅」の略称に由来する。
札片は、紙幣を指す俗語である。特に、多額の金銭を惜しみなく使う様子を「札片を切る」と表現する。ここでの「片」は、薄いものを数える単位として用いられている。
片岨とは、山の片側が切り立った崖や絶壁になっている地形を指す。岨は険しくそそり立つ岩山を意味し、断崖と同義である。かたそわ・かたそばとも読まれる。
片庇とは、片側だけに傾斜した屋根のことで、特に簡素な造りのものを指す。庇は建物から張り出した屋根部分を意味し、片流れの屋根であることからこのように呼ばれる。
片靨とは、笑った際に片方の頬だけに現れる小さなくぼみを指す。通常のえくぼが両頬にできるのに対し、こちらは左右非対称に生じる特徴を持つ。
片鱗とは、一枚の鱗を指す。そこから転じて、物事の全体の中から垣間見える、ごくわずかな一部分や一端を意味する。例えば、将来の大成を予感させるような、ほんの一部分の才能や様子を示す際に用いられる。
ケシの未熟果から採取される乳液を加工して得られる麻薬で、鎮痛や陶酔作用を持つが、強い依存性を伴う。阿片とも表記される。
鱗片とは、魚類や爬虫類などの体表を覆う一枚のうろこのことを指す。また、うろこ状の構造を持つものの小さな破片や、植物の鱗片葉のような形状をした部分を表す場合もある。
片仮名は、漢字の一部を省略して作られた音節文字であり、主に外来語や動植物の名称、学術用語などの表記に用いられる。その起源は、漢文訓読の際に音や訓を示す傍記として発達したことに求められる。
片口鰯はカタクチイワシ科の海魚で、近海に生息する。全長は約十五センチメートルほどで、背中は青黒色をしている。食用とされ、生食のほか、幼魚や稚魚は煮干し・しらす干し・ごまめなどに加工される。名称は、上あごが長く突き出ており、口が片側にあるように見えることに由来する。
阿片を密かに吸引させるための施設を指す語で、特に過去に阿片の濫用が社会問題となった時代に用いられた表現である。
一片氷心とは、ひとかけらの氷のように清らかで澄みきった心を意味する四字熟語である。俗世間の煩わしさに染まることなく、清廉で汚れのない高潔な精神状態を表し、唐代の詩人王昌齢の「芙蓉楼送辛漸」に由来する。
「一日片時」は、わずかな時間や短い間を意味する四字熟語である。『観智院本 三宝絵』に典拠があり、一日の中のほんの一時、転じて非常に短い時間のたとえとして用いられる。
書画や詩文の断片や僅かな筆跡を指す。不完全ではあるが、その一端から作者の才気や作品の価値を窺い知ることができるような、わずかな残存物を意味する。
「片言隻句」はわずかな言葉や短い発言を指す四字熟語で、「片言」は簡単な言葉やちょっとした発言を、「隻句」はほんの少しの言葉を意味する。全体として、一言二言といった短い言葉のまとまりを表し、「へんげんせっく」とも読まれる。