下弦とは、満月を過ぎて次第に欠けていく月のうち、月の入り時に弓の弦を下に向けたような形に見える月相を指す。陰暦の二十三日頃にあたり、上弦に対応する。
上弦とは、陰暦の七、八日頃に見られる月相を指す。新月から満月へと至る途中の時期にあたり、月が沈む際に弓の弦を上向きに張ったような半円形の姿を示すことからこの名がある。
弓に張って矢を射るために用いる撚り糸のことを指し、一般に「つる」とも呼ばれる。弓の両端にかけて緊張させ、矢を発射するための弾力を生み出す部分である。
弦月とは、月の形が弓の弦のように見える時期を指し、上弦の月と下弦の月の総称である。特に陰暦八月の弦月は秋の風情を感じさせるものとして、弓張月とも呼ばれる。
弦音とは、弓を射る際に弦が振動して発する音を指す。特に矢を放った瞬間に響く、張り詰めた弦の独特の響きを表現する語である。
弦巻とは、弓の弦を張り替える際に用いる予備の弦を巻きつけて保管するための輪状の道具を指す。通常は籐などの植物素材で作られており、携帯に便利な形状をしている。弦袋とも呼ばれる。
弦を振動させることによって音を出す楽器の総称であり、弦を弓で擦る、指や爪ではじく、あるいは叩くなどの方法で演奏される。ヴァイオリンやギター、三味線、琴などがこれに含まれ、「絃楽器」と表記することもある。
管楽器と弦楽器、打楽器を組み合わせた大規模な合奏形態を指し、またそのようにして演奏される音楽作品をも意味する。オーケストラと同義であり、特に編成の整った団体による演奏を指して「管弦楽団」とも称される。
一弦琴は、中国から伝来した弦楽器の一種で、約一・一メートルの胴に一本の弦を張った構造を特徴とする。別名として独弦琴や須磨琴(すまごと)とも呼ばれる。
改弦易轍は、弦楽器の弦を取り替え、車の轍(わだち)の跡を改めるという二つの比喩から成る四字熟語で、従来の方針や方法、態度などを根本から改めることを意味します。
伯牙絶弦は、親友の死を悼み、その芸術を断念することを意味する故事成語である。中国の故事に由来し、琴の名手であった伯牙が、唯一その演奏を理解した親友の鍾子期を失った悲しみから、琴の弦を切り、二度と弾くことをやめたという逸話に基づく。
『韓非子』観行篇に由来する四字熟語で、自分の性格の欠点を補い、戒めとすることを意味する。性急な人は柔らかな韋(なめし革)を身につけて自らを戒め、優柔不断な人は強く張った弦を身につけて自らを励ますという故事に基づく。
独弦哀歌とは、たった一本の弦をかき鳴らしながら悲しげな歌を詠うことを指す。そこから転じて、自らの悲痛な心情を独り語るように述べ立てる喩えとして用いられる。『荘子』「天地篇」に由来する四字熟語であり、「弦」は「絃」と書くこともある。