吐逆とは、胃の内容物が食道を逆流して口に戻ってくる現象を指し、通常は吐き気を伴わない。
逆縁とは、本来ならば仏道に縁遠い悪事が、かえって仏法に導かれる契機となることを指す。また、親が子を、あるいは年長者が年少者を弔うことや、生前に敵対関係にあった者が相手の供養を行うことも意味する。さらに、無縁の者が死者の供養を行う場合にも用いられる。
結果や目標から出発して、必要な条件や過程を後ろ向きに推測し、計算することを指す。本来の順序とは逆に、時間や手順を遡って考える方法である。
逆修とは、生前に死後の安楽を願って仏事を執り行うことを指す。また、存命中に戒名や法名を受けて墓石に朱書きで記す予修のことも含まれる。転じて、通常の順序とは逆に、年長者が年少者の冥福を祈る場合にも用いられる。
流れが本来の方向とは反対に向かうこと。また、そのような流れそのものを指す。例えば、川の水が海へ向かう通常の流れに対し、潮の満ち引きなどの影響で海水が川を遡るような場合に用いられる。
攻撃を受けていた側が形勢を逆転させ、反対に相手を攻撃することを指す。守勢から攻勢へと転じる局面を表す語である。
逆浪とは、風向きに逆らって起こる大きな波を指す。また「さかなみ」とも読み、風に逆らって進む船の様子を表すこともある。一方、「ゲキロウ」と読む場合は、世の中が混乱し波乱に満ちた状態を意味する。
激しい怒りや悲しみなどの感情が高ぶり、頭に血が上ったような状態になること。その結果、冷静さを失い、理性や分別が働かなくなる様子を指す。
逆境とは、人生において困難や苦難に直面し、思い通りに事が運ばない苦しい境遇を指す。順境の対義語であり、不運や試練に満ちた状況を意味する。
夢で見た内容とは反対の事柄が現実に起こることを告げる夢。正夢の対義語にあたる。
逆接とは、前の文や句に対して反対の意味や対立する内容を後に続ける表現形式を指す。通常、「しかし」「だが」「ところが」などの接続詞を用いて示され、前後の論理関係が対立や転換をなす点に特徴がある。順接に対応する概念である。
逆行とは、本来の方向とは反対に向かって進むことを指す。例えば、時代の流れに逆らうような動きを表す際に用いられる。また天文学では、惑星が通常の順行とは逆に、天球上を西向きに移動するように見える現象を意味する。
逆転とは、物事の成り行きや優劣、順序などがそれまでとは反対の状態に変化することを指す。また、回転や方向が反対に向くことや、思考や発想が従来とは逆の方向に転じることも意味する。
逆髪とは、風などによって逆立った髪の毛の状態を指す。また、髪を乱した妖怪や化け物の様子を表すこともある。
物事の本来あるべき順序や位置、方向などが反対になっている状態を指す。また、そのような様子を表す。
事態が予想や常識から大きく外れ、ありえないと思われる様子を表す。強い否定や驚きの気持ちを込めて用いられる。
順逆とは、物事の道理に従うことと背くこと、あるいは順境と逆境という二つの対立する状態を指す。事態の善悪や正邪を弁えたり、人生における順調な時と困難な時を表す際に用いられる。
逆波(さかなみ)は、進行方向に対して逆に打ち寄せる波のことを指し、逆浪(ぎゃくろう)と同義である。
逆旅とは、旅人が宿泊する施設を指す語である。「逆」は迎える意、「旅」は旅人の意で、旅人を迎え入れる場所という原義に基づく。現代では宿屋や旅館を意味するが、古風な表現として用いられる。
逆鱗とは、天子や目上の人の激しい怒りを指す。中国の伝説によれば、竜の顎の下には一枚だけ逆さに生えた鱗があり、これに触れると竜が怒り、触れた者を殺すとされる。この故事に基づき、天子を竜に喩えてその怒りを表現したものである。
母胎内において胎児の頭部が上を向き、足が下を向いた状態を指す。また、そのような体位で分娩される児のこともいう。
横隔膜の痙攣により、急激に吸気が起こり、それに伴って声帯が閉じて特有の短い音を発する現象を指す。「しゃっくり」と読み、「噦り」とも書く。
逆鞘とは、買い値が売り値よりも高くなるなど、二つの価格の差が通常の状態と逆転していることを指す。主に精算取引や中央銀行の公定割引歩合などの金融分野で用いられ、順鞘の対義語として扱われる。
逆戟は、イルカ科に属する海生哺乳類であるシャチの別称である。体の背面は黒色、腹面は白色を呈し、背中には直立した大きな背びれを持つことが特徴とされる。
船の前後に櫓を備え付け、進行方向に応じて前進または後退を可能にした仕組みを指す。
悖逆とは、道理に背き、上に逆らうことを指す。通常、倫理や規範に反する行為や、主君や権威に対する反抗を意味し、背逆とも表記される。
「莫逆」とは、互いに心が通じ合い、決して逆らうことのない深い親交を指す。語源は「逆らうこと莫(な)し」にあり、非常に親密で信頼し合う間柄を表す。
「逆虎落」は「逆茂木」と同じく、敵の侵入を防ぐために地面に逆さに突き刺した竹や木のことで、城や陣地の周囲に設置される防御柵を指す。
敵の侵入を防ぐための防御施設で、とげのある木の枝などを地面に並べて垣根のように仕組んだものを指す。逆虎落(さかもがり)とも呼ばれ、現代では鹿砦(ろくさい)に相当する。
逆取順守とは、権力を得る際には道理に背いた不正な手段を用いるが、一度それを手中に収めた後は、道理にかなった正しい方法で統治を維持することを指す。本来は、殷の湯王や周の武王が武力によって天下を奪取し、その後は正道に則った善政をもって国を治めた故事に由来する。
悪逆無道とは、人として守るべき道理を著しく踏み外し、極めて残忍で非道な行いをすることを指す。特に「悪逆」は父母や主君を害するような重大な罪を意味し、「無道」は人の道から外れることを表す。この語は、道徳に完全に背く残虐な行為全般を言い表す四字熟語である。
万物逆旅とは、この天地の世界を指す四字熟語である。万物が生まれ、滅び、また移り行く様子を、旅人が宿屋に立ち寄っては去ってゆくことに喩えた表現である。李白の「春夜宴桃李園序」にも見られるように、この世の一切が仮の宿であるという無常観を背景に持つ。
反逆縁坐とは、謀反などの重大な罪を犯した者に連座して、その縁者や親族までもが処罰される制度を指す。古代中国の律令法に由来する概念で、罪人の血縁や婚姻関係にある者までが刑罰の対象とされたことを表す。
莫逆之交とは、互いに心を許し合い、何のわだかまりもない深い友情の交わりを指す。『荘子』に「相視而笑、莫逆於心」とあるように、心に逆らうことなく通じ合う親密な間柄を意味する。
互いに心が通じ合い、何一つ逆らうことのない親密な友人関係を指す。
道理に逆らう方法で物事を行うことを指す。時代の流れや社会の常識に反するような無理な行いを押し通す様を表し、しばしば時代錯誤な悪しき行為にも用いられる。『史記』を典拠とし、「逆施倒行」とも言う。
忠実な言葉は耳に逆らうという意味で、真心から出た諫言は聞きづらく不快に感じられるものの、実際には人のためになることを指す。『孔子家語』「六本」に由来する四字熟語。