爪紅はホウセンカの別称で、その花汁で爪を染める習俗に由来する。古くは「つまくれない」とも呼ばれ、秋の季語としても用いられる。
緊張や興奮によって顔に赤みが差すことを指す。特に、恥ずかしさや強い感情の高まりにより、頬などがほんのりと赤くなる様子を表す。
紅殻(ベンガラ)は、酸化鉄を主成分とする赤色の顔料で、さび止めやガラスの研磨剤、着色剤などに用いられる。その名称は、かつてインドのベンガル地方で産出されたことに由来する。表記は「弁柄」とも書かれ、「べにがら」と読まれることもある。
赤い灯火を指し、特に繁華街の夜の灯りを連想させる。また、赤い紙を貼った小さな丸い提灯、例えば酸漿提灯のようなものを指すこともある。
赤と白の二色を指し、特に祝い事を象徴する色として用いられる。また、対抗競技などでチームを紅組と白組に分ける呼称にもなる。
紅樹はヒルギ科に属する常緑高木を指す名称であり、漢名に由来する。別名として雄蛭木(おひるぎ)とも呼ばれる。
秋の終わりに草木の葉が赤や黄色に変わる現象、またその変色した葉そのものを指す。特にカエデの木の葉の美しい色づきを表すことが多く、カエデそのものの別称としても用いられる。漢字では「黄葉」と書くこともある。
晩秋から初冬にかけて、落葉広葉樹の葉が赤や黄色に色づく現象を指す。また、そのように色づいた葉そのものをも意味し、特にカエデ類の美しく染まった葉を「もみじ」と呼ぶことが多い。秋の風物詩として古来より詩歌や絵画の題材とされてきた。
紅玉(ルビー)は鋼玉の一種で、赤色を帯びた透明な宝石を指す。七月の誕生石としても知られる。なお、「こうぎょく」と読む場合は、リンゴの一品種名を表す。
紅涙とは、悲しみや苦しみのあまり流す涙を血に喩えた表現であり、また美人の涙を美しく言い表す語でもある。
紅顔とは、若くて血色が良く、生き生きとした顔つきを指す。特に美少年の容貌を形容する際に用いられることが多い。
紅娘はテントウムシ科に属する甲虫の総称であり、その丸みを帯びた体形と鮮やかな赤地に黒い斑点を持つ外見が特徴である。一般に瓢虫とも呼ばれ、農業においてはアブラムシなどを捕食する益虫として知られている。
紅く色づけられた唇を指し、特に化粧によって赤く彩られた唇を表す。また、その美しさから、美人の唇の喩えとしても用いられる。
紅花はキク科の二年草で、エジプトが原産とされる。夏にアザミに似た頭状花を咲かせ、花は初め黄色で次第に赤色に変化する。その花は染料の原料となり、種子からは油を採取する。別名にクレノアイ、スエツムハナがあり、漢名の「紅藍花」に由来する。
茶の若葉を発酵させて乾燥させた飲料用の茶葉で、湯で抽出して飲む。茶葉の発酵過程により、独特の赤みがかった色と芳醇な香りを持つ。
退紅(あらぞめ)とは、ベニバナを用いて染められた薄い紅色を指す。また、その薄紅色に染めた短い狩衣のことで、仕丁などが着用した。表記としては「桃花染」や「荒染」とも書かれ、「たいこう」と読む場合もある。
唐紅とは、濃く鮮やかな紅色を指す。その表記は「韓紅」とも書き、古代に朝鮮半島から伝来した紅色の染料に由来することを示している。深紅に近いが、やや暗みを帯びた豊かな赤色を形容する語である。
紅絹とは、ベニバナをもみ染めした紅色の無地の絹布を指す。主に女性の着物の裏地に用いられ、白絹に対する語として、ほんもみとも呼ばれる。
紅蓮は、深紅に咲く蓮の花を指す。また、燃え盛る炎が赤く激しく揺らめく様子を、その色合いや華やかさに喩えて表現する際にも用いられる。
韓紅とは、深く鮮やかな紅色を指す語である。その名は、古代に朝鮮半島(韓)から伝来した紅色の染料に由来するとされ、美しく濃い赤色を表す。また、「唐紅」とも表記される。
丑紅は、寒の時期の丑の日に売り出される口紅のことで、主に唇の荒れを防ぐ効能があるとされました。寒紅とも呼ばれる冬の風物です。
夕暮れ時に空を赤く染める霞や雲を指す。特に夕焼けの光を受けて赤みを帯びた大気の状態や、そのような色合いの雲をいう。
紅裙とは、赤い着物の裾を意味し、転じて美しい女性や芸者を指す言葉である。その由来は、鮮やかな紅色の衣装が目を引くことから、特に芸妓や舞妓など華やかな女性を連想させるところにある。
紅菰はベニタケ科に属するきのこの総称で、特に傘の部分が赤みを帯びた種類を指す。柄は太くて短い形状が多く、その多くは食用可能であるが、中にはドクベニタケのような有毒種も含まれる。秋に発生し、漢名に由来する名称を持つ。
紅塵とは、夕日に照らされて赤みを帯びた塵や土埃を指す。また、転じて俗世間の煩わしい雑事や、現実社会の喧騒を意味する。
アトリ科の小鳥で、秋に日本北部へ渡来する。スズメよりもやや小さく、全身は褐色を基調としているが、頭頂部と雄の胸は鮮やかな赤色を帯びるのが特徴である。
黒みを帯びた鮮やかな紅色を指す。その名は、伝説上の動物である猩猩(しょうじょう)の血の色に由来するとされる。同様の色調を表す語に「猩猩緋(しょうじょうひ)」がある。
東天紅とは、夜明けに鳴く鶏の声を表す語であり、東の空が赤く染まる様子に由来する。また、高知県特産の鶏の一品種を指し、その特徴として抑揚に富んだ長い鳴き声を持つ。
多くの男性の中にただ一人の女性がいる状況を指し、またその女性自身を表す。王安石の詩句「万緑叢中紅一点」に由来し、緑の草むらの中に一輪の紅い花が咲いている様子を、男性集団の中の唯一の女性に喩えた表現である。
紅白粉とは、紅と白粉を合わせた語で、化粧に用いる紅と白粉そのものを指す。また、これらを用いて顔を彩る化粧行為そのものをも意味する。
退紅色とは、紅色が薄くなったような淡い赤色を指し、薄桃色に近い色合いを表す。褪紅色とも表記される。
サンショウモ科の多年生水生シダ植物で、水田や池沼に自生する。鱗状に重なる葉は紅色を帯び、水面に浮かぶ姿から「赤浮草」とも表記される。漢名「満江紅」に由来する名称を持つ。
アヤメ科の多年草で、南ヨーロッパ原産である。秋に線形の葉を伸ばし、淡紫色の六弁花を咲かせる。花の中心にある三本の赤い雌蕊(花柱)を乾燥させたものは、薬用や香料、食品の着色料として用いられる。漢名に由来する「番紅花」という名称で呼ばれる。
甚三紅は、アカネで染めた紅梅色の絹布を指す。この名称は、江戸時代に京都の桔梗屋甚三郎がこの染色を始めたことに由来する。
紅糟粥は、毎年一月八日の夜に禅寺で作られる粥で、味噌と酒粕を入れて炊いたもの。温糟粥とも表記する。
紅南瓜はウリ科のつる性一年草で、カボチャの一種である。果実は大きな長楕円形を呈し、黄赤色を帯びて食用に供される。漢名に由来する名称であり、「金冬瓜」と表記されることもある。
紅蜀葵はアオイ科の多年草で、北アメリカが原産である。葉は掌状に深く切れ込み、その形状がカエデの葉に似ていることからこの名がある。夏になると、鮮やかな赤色の大きな五弁花を咲かせる。漢名に由来する名称である。
溶血性連鎖球菌の感染によって引き起こされる急性熱性疾患で、突然の高熱とともに全身に鮮やかな紅色の小さい発疹が現れることを特徴とする。小児に好発する。
雁来紅はヒユ科の一年草で、インドを原産とする観賞用植物である。細長い葉を多数つけ、初秋になるとそれが鮮やかな赤や黄色に色づいて美しい姿を見せる。漢名に由来するこの名は、雁が北方から渡ってくる頃に葉が紅葉することにちなむ。別表記として「葉鶏頭」とも書く。
蔦紅葉は、秋に紅葉する蔦の葉を指す語である。また、イタヤカエデの別称としても用いられ、これはカエデ科の落葉高木で、掌状に浅く裂けた葉が秋に黄葉する特徴を持つ。
褪紅色とは、薄く淡い桃色を指す色名で、淡紅色とも呼ばれる。漢字表記としては「退紅色」と書くこともある。
縷紅草はヒルガオ科のつる性一年草で、熱帯アメリカが原産である。葉は羽状に深く切れ込み、夏に鮮やかな紅色をしたラッパ形の花を咲かせる。花の先端は五つに裂けており、観賞用として栽培される。別名をカボチャアサガオともいう。
柳緑花紅は、春の景色を表す四字熟語で、青々とした柳と紅く咲く花の自然の美しさを指します。転じて、一切の作為がなくありのままであることの喩えともなり、禅の世界では、その自然の姿そのものが悟りの境地であると説かれています。
赤や青など色鮮やかな花や葉が風に吹かれて乱れ、入り混じりながら揺れ動く様子を表す。柳宗元の「袁家渇記」に由来し、春から夏にかけての草木の繁茂と華やかな色彩が風に翻る情景を描写する。
桃の花の紅と柳の葉の緑が鮮やかに映える春の景色を表す四字熟語で、色彩豊かで美しい自然の様子を描写する。語順を逆にした「柳緑桃紅」も同義として用いられる。
朝に紅顔ありて、夕べには白骨となれる身。人の命のはかなさを表す四字熟語で、朝には若く美しい顔をしていても、夕方には白骨に変わってしまうという無常観を詠んだもの。蓮如の「御文章」に用例が見られる。