人絹とは人造絹糸の略称であり、天然の絹糸を模して製造された人工繊維、あるいはその繊維を用いて織り上げられた布地を指す。レーヨンとも呼ばれ、正絹や本絹といった天然絹に対比される語である。
正絹とは、混ざり物のない純粋な絹、あるいはそのような絹で織られた織物を指す。純絹や本絹とも呼ばれ、化学繊維など他の素材を含まない本来の絹の質を表す語である。例えば「正絹のネクタイ」のように用いられ、人絹(人造絹糸)と対比されることもある。
生絹は練っていない生糸で織られた布地を指し、薄く軽い質感が特徴である。主に夏の衣料として用いられ、涼やかな着心地から「すずし」とも呼ばれる。練絹に対し、より自然な風合いを保つ。
絹糸とは蚕の繭から得られる天然繊維を精練し、よりをかけて糸状にしたものを指し、絹織物の原料となる。
絹本とは、書画を描くために用いられる絹地のことを指し、またその絹地に描かれた書画作品そのものを指すこともある。紙に描かれた紙本と対比される用語である。
紅絹とは、ベニバナをもみ染めした紅色の無地の絹布を指す。主に女性の着物の裏地として用いられ、白絹に対する語としても用いられる。ほんもみとも呼ばれる。
黄絹は、室町時代に中国から伝来した絹織物の一種で、黄色い繭から取った糸で織られています。唐音で「ホッ」と読むことに由来し、「北絹」と表記されることもあります。
絹紬とは、サクサン(ヤママユガ科の蛾)の繭から引き出した糸を用いて織り上げられた、薄手の絹織物を指す。繭から直接とるため、素朴な風合いと軽やかな肌触りが特徴であり、「繭紬」と表記されることもある。
近世にオランダや中国を経由して日本にもたらされた絹織物を指す。その名称は、インドのチャウル地方で生産された絹織物に由来するとされる。
富士絹とは、羽二重に似た風合いを持つ絹織物の一種で、主にくず繭から紡いだ糸を用いて織り上げられます。
甲斐絹は練り糸を用いて目を細かく詰めて織り上げた平絹の織物で、羽織の裏地などに用いられる。その名称は、かつて甲斐国郡内地方で多く生産されたことに由来する。表記には「海気」や「海黄」の字が当てられることもある。
零絹尺楮は、絹や紙といった書画の材料を指す四字熟語です。これらの素材は、優れた書画作品を生み出すための基盤となるものであり、転じて、芸術や学問を支える重要な基礎や条件を意味します。
隻紙断絹とは、文字や書画が記された小さな紙切れや絹布の切れ端を指す。書画や筆跡を尊重する文脈で用いられ、たとえ断片であっても貴重な作品や筆跡が宿っていることを示す表現である。
「黄絹幼婦」は、物事が非常に優れていること、特に文章や解釈が絶妙であることを意味する四字熟語である。この語は、中国の古典『世説新語』「捷悟」篇に由来し、「黄絹」が色糸(絶)を、「幼婦」が少女(妙)をそれぞれ構成要素として含み、合わせて「絶妙」という文字を成すことに基づく。転じて、言葉や表現の解読が巧みで見事であることを称える際にも用いられる。