白墨は、焼石膏や白亜などの粉末を棒状に固めた筆記具で、主に黒板に文字や図形を書くために用いられる。チョークとも呼ばれる。
朱墨とは、朱色の墨を指す。また、朱筆と墨筆の両方を総称する場合もある。「シュずみ」と読むこともある。
灰墨とは、ごま油や菜種油などを燃やした際に生じる煤を指し、これに膠を混ぜて墨を製造する原料とする。また、眉墨や塗料、薬用としても用いられる。なお、「掃墨(はきずみ)」の当て字としても知られる。
芳墨とは、香り高い墨のことを指す。また、転じて他人の手紙や筆跡を敬って言う語として用いられ、芳書と同義である。
洋墨とは、文字を書いたり印刷したりする際に用いる有色の液体を指す。西洋から伝来した墨汁に由来し、主にペンや印刷機で使用される。
発墨とは、硯で磨った墨の色合いや濃淡の度合いを指し、墨の磨り具合によって生じる黒色の質感や深みを表す言葉である。
眉墨とは、眉毛を描いたり形を整えたりするために用いる化粧用の墨のことで、黛とも表記される。
筆と墨、およびそれらを用いて書かれた文字や絵画を指す。書画や文章の制作に用いる用具を表すとともに、その結果として生み出された作品そのものをも意味する。
零墨とは、古人の筆跡が断片として残された書き物の切れ端を指す語で、断簡と合わせて「断簡零墨」と表現されることもある。
墨魚は、頭足類に属する軟体動物の一種で、主にコウイカ目とツツイカ目の生物を指す。体は細長く、胴部に石灰質の甲や軟甲を持つものもあり、墨を吐く習性があることからこの名で呼ばれる。食用として広く利用され、烏賊とも表記される。
墨守とは、古くからの習慣や自らの主張を頑なに守り、変えようとしないことを指す。この語は、中国戦国時代の故事に由来する。楚の公輸盤が雲梯という攻城兵器を作り宋を攻めようとした際、非戦論者の墨子が模型を用いてその攻撃を防ぐ方法を示し、論争に勝利して攻撃を止めさせたという『墨子』の逸話から、自説を固く守る意味で用いられるようになった。
墨を水で溶いて作られる黒色の液体、または書画に用いるためにカーボンブラックにかわ液を混ぜて調整した黒色の液体を指す。また、イカやタコなどの頭足類が敵から身を守るために放出する黒色の液体をも意味する。
墨痕とは、筆に含ませた墨が紙面に残した跡のことを指し、特に書画において筆の運びや墨の濃淡によって生じる線やにじみを表す。墨の付き具合や滲み方によって作品の印象が左右されるため、書道や水墨画において重要な表現要素とされる。
練墨とは、眉を描くために用いられる練り固めた墨のことで、眉墨とも呼ばれる。
掃墨(はいずみ)は、菜種油や胡麻油などを燃やして得られるすすを指し、これをにかわと練り合わせて墨としたり、漆や柿渋などに混ぜて塗料や薬として用いたものである。「はきずみ」の転じた語とされ、「灰墨」とも書く。
墨壺は、墨汁を入れておく容器を指す。また、木材や石材などに直線を引くための道具としても用いられ、内部に墨を含ませた糸を張り、その糸をはじくことで対象物に直線を付けることができる。
墨で書かれた筆の跡を指し、特に書道や筆記における墨の痕跡を意味する。筆の運びや墨の濃淡によって表現される文字や絵画の線を表し、書作品の筆致や風格を評価する際にも用いられる表現である。
筆と墨を指すとともに、書画や詩文を書く行為、またその作品そのものを表す。さらに広く文学や学問に関わる事柄全般を意味する語である。
規則縄墨とは、物事を行う際の基準や規範となる決まりを指す。建築などで用いる縄や墨壺といった道具から転じて、行動や判断のよりどころとなる規準や法規を意味する。
墨痕淋漓とは、筆跡に漲る力強い勢いが生き生きとほとばしる様を表す四字熟語である。墨痕は筆の運びによって残された墨の跡、すなわち筆致を指し、淋漓は気迫や筆勢がみなぎり溢れるさまを意味する。
墨名儒行とは、表面上は墨家の思想を掲げながら、実際には儒家の行動をとることを意味する。つまり、口先で唱える主義や主張と、実際の振る舞いが一致しない様子を表す四字熟語である。この語は、中国唐代の文人・韓愈の「送浮屠文暢師序」に由来する。
墨守成規とは、古くからのしきたりや決まり事を頑なに守り、状況の変化に応じて柔軟に対応しようとしない態度を指す。
「墨子悲糸」は、『淮南子』説林訓に由来する四字熟語である。白い糸がさまざまな色に染められるのを見て、墨子がその本来の純粋さを失うことを悲しんだ故事に基づき、物事が本来の姿を失い、外界の影響によって変質してしまうことを嘆く心情を表す。
墨子泣糸は、中国戦国時代の思想家・墨子が、白い糸がどのような色にも染まりうる様子を見て嘆いたという故事に由来する四字熟語である。この故事は、人の性質が置かれた環境や習慣の影響を受け、善にも悪にも変化しうることを喩えたものである。
粉白黛墨とは、女性が化粧を施すことを意味する四字熟語である。白粉で顔を白く塗り、黛で眉を描き、墨で髪を黒く染めるという、古代中国の女性の化粧法を表している。『戦国策』楚策に由来し、転じて外見を飾り立てる比喩としても用いられる。