北枕とは、頭を北に向けて寝ることを指す。これは釈迦が入滅した際の姿勢に由来し、日本では死者を安置する際の作法とされる。そのため、生者が北枕で寝ることは不吉であると忌み嫌われる風習がある。
氷枕とは、ゴム製などの袋に氷や冷水を入れて枕として用いるもので、発熱時に頭部を冷やすための道具である。水枕とも呼ばれる。
自分のひじを曲げて頭を支え、枕の代わりとする行為を指す。特に子供を寝かしつける際などに見られる。
波枕とは、船中で寝泊まりすることを指し、転じて船旅そのものを意味する。また、波の音を聞きながら旅先で寝ることを表し、旅情を伴う宿泊の情景をも示す。
旅先で草を束ねて枕としたことに由来し、野宿を意味する。転じて、旅そのものや旅先での宿泊を指す語。
高枕とは、警戒心を解いて安心して眠ることを指す。また、日本髪の髪型を崩さないように高く作られた枕のことも意味する。
夢枕とは、睡眠中に神仏や故人が枕元に現れて何かを告げる「夢枕に立つ」ことを指す。また、夢を見ている際の枕元や、夢の中の情景そのものを意味することもある。
男女が初めて共寝して夫婦の契りを結ぶことを指す。特に新婚の初夜を意味する古い表現である。
箱枕とは、箱形の台の上に括り枕を載せた寝具の一種で、主に日本髪を結った女性が髪型を崩さずに休息する際に用いられた。
他人の膝の上に頭を乗せて横になることを指す。親密な間柄で行われるくつろぎや安らぎの姿勢として用いられる。
籠枕とは、竹やトウなどの植物を編んで作られた枕のことで、主に夏の暑い時期に用いられる。通気性が良く涼しい感触が特徴であり、季節に応じた寝具として古くから親しまれてきた。
枕席とは、枕と敷物を意味し、転じて寝床や寝室を指す。また、男女が同じ寝具で寝ることを表し、男女の親密な関係を暗示する場合もある。表記として「枕藉」と書くこともある。
枕藉とは、互いを枕にして寄りかかり重なり合って寝る様を指す。また、書物が高く積み重なっている状態や、書物を枕代わりにすることをも意味する。同義語として「枕席」があり、「チンシャ」と読む場合もある。
枕頭とは、枕のあたり、すなわち寝具として用いる枕の周辺やその上を指す語である。特に、寝床の中で枕を置く位置や、枕の傍らを意味し、書物などを常に身近に置いておく様子を表す際にも用いられる。
陶枕は陶磁器で作られた中空の枕で、主に夏の暑い時期に使用される。内部が空洞になっているため通気性が良く、涼感を得られるのが特徴である。
円木警枕とは、学問に励む者が睡眠時間を惜しんで勉学に専念する様子を表す四字熟語である。円形の丸太を枕として用いることで、深く眠り込むことを防ぎ、少しでも目が覚めたらすぐに読書や研究を再開できるようにした故事に由来する。苦学や刻苦勉励の姿勢を象徴する表現として用いられる。
同衾共枕とは、同じ寝床で寝て同じ枕を共にすることを意味し、夫婦や男女が親密な関係にある様子を表す。
「枕戈待旦」は、武器である戈を枕にして夜を明かし、夜明けを待つという意味の四字熟語である。常に戦いに備えて警戒を怠らないことの喩えとして用いられる。故事は『晋書』に由来し、「戈を枕にして旦を待つ」と訓読される。
枕戈寝甲は、武器を枕にして鎧を着たまま眠ることを意味し、常に戦闘に備えて警戒を怠らない姿勢を表す。『晋書』の故事に由来する四字熟語で、戦時における緊張した状態や、絶えず準備を整えている様子を指す。
「枕流漱石」は、『晋書』「孫楚伝」に由来する四字熟語である。本来は「石に枕し流れに漱ぐ」と読むべきところを誤って「流れに枕し石に漱ぐ」と言い誤った故事に基づき、誤りを認めず強引に理屈をつけて言い繕うことを意味する。転じて、負け惜しみが強いことや、強情で非を認めない態度を指す。
大衾長枕とは、大きな布団と長い枕を共に用いることを指し、夫婦が仲睦まじく共に寝る様子を表す。転じて、夫婦の愛情が深く、親密な関係を喩える表現として用いられる。
扇枕温衾は、親孝行の極みを表す四字熟語である。夏には枕を扇いで涼しくし、冬には布団を温めて暖かくするという、子供が親に対して細やかな気配りを尽くす行為を指す。中国晋代の王延の故事に由来し、孝行の模範として伝えられる。
高枕無憂とは、万全の準備を整えておくことで、もはや何の心配もなく安心できる状態を指す。『戦国策』に由来し、君主が高い枕で安らかに眠れるほどに国政に憂いがなくなる様子から、完全な備えがあれば不安が解消されるという意味を表す。