公民とは、国家や地方公共団体の政治に参加する権利と義務を有する国民を指す。また、律令制においては、天皇に直属する民を意味した。
平民とは、官職や爵位を持たない一般の人々を指す。また、明治憲法下の旧民法においては、華族や士族に属さない戸籍上の身分区分を意味し、日本国憲法の施行に伴い一九四七年に廃止された。
民需とは、民間の消費や投資などによって生じる需要を指す。政府や公共機関による需要である官需に対置される概念であり、経済活動において民間部門が商品やサービスに対して示す購買意欲や消費動向を表す。
民衆とは、特定の階層や立場に限定されない、社会を構成する一般の人々を指す。特に支配層や特権階級と対比される概念として、広く庶民や大衆を意味する。
民情とは、国民の生活の実情や暮らし向きを指すとともに、人々の心情や世論、社会に広がる気分や感情をも表す語である。政治や社会情勢を理解する上で重要な、民衆の現状と心の動向を示す概念として用いられる。
国民の考えや願い、あるいは世論の動向を指す言葉で、政治や社会の動きにおいて重要な判断材料となる。
民間が事業を経営すること。国や公共団体が行う事業を民間の手に移すことを指し、国営や官営に対する概念として用いられる。
民芸とは、一般庶民の日常生活から生まれ、長い年月をかけて地域の風土や生活様式に根ざした特色を持つ工芸品を指す。実用性と素朴な美しさを兼ね備え、主に手工業によって制作されるものをいう。
民選とは、公職者や議員などを、国民が直接選挙によって選出する制度を指す。官選に対置される概念であり、民主主義の基本原理に基づく選出方法である。
民事とは、民法や商法などの私法によって規律される個人間の権利義務関係に関する事柄を指す。刑事事件と対比される概念であり、財産や契約、不法行為、家族関係など、私人の生活関係に生じる紛争がその対象となる。
国家の主権が国民にあり、国民の意思に基づいて政治が行われる体制や原理を指す。また、そのような政治形態を実現するための思想や運動も含む。
民部とは、古代中国の官職名であり、主に戸籍や人事、租税や賦役の管理を担当した。後に唐代には戸部と改称された。また、日本の律令制における民部省の略称としても用いられる。
民兵とは、正規の軍隊に属さない民間人によって組織された軍事組織、あるいはその構成員を指す。平時はそれぞれの職業に従事しながら、非常時には防衛や治安維持などの任務に当たる。
民望とは、民衆からの信頼や人気を指し、特に政治家などが世間から受けている支持の度合いを表す。また、広く人民の願いや期待という意味でも用いられる。
民法とは、私人間の財産関係や家族関係など、市民生活における権利義務の基本を定めた法律の総称である。
民謡とは、民衆の間に古くから伝承されてきた歌謡であり、特定の地域の生活や風土、人々の心情を素朴な表現で歌い上げたものである。土地ごとに独特の旋律や歌詞を持ち、主に口承によって受け継がれてきた。
民話とは、特定の作者を想定せず、民衆の間で長く語り継がれてきた説話の総称であり、昔話や伝説、世間話などを含む。地域の生活や信仰、価値観を反映し、口承によって伝えられてきたものである。
君主国において君主に支配される人民を指す。特に明治憲法下の日本では、天皇および皇族を除く一般国民を意味した。君主の家臣たる民という原義に由来する。
人民を養い育て治めることを意味する。特に地方の行政官がその地域の民衆を統治し、生活を安定させることを指す。
「斉民」とは、一般の民衆や庶民を指す言葉である。また、民を平等に扱うこと、あるいはそのような状態を意味する場合もある。
軍民とは、軍人と一般市民の両方を指す言葉である。戦時下においては、その区別なく戦禍に巻き込まれることを示す際に用いられる。また、文脈によっては特に兵士や軍関係者を指すこともある。
遊民とは、定まった職業を持たず、遊び暮らす者を指す。特に知識階級でありながら職に就かず、無為に過ごす者を「高等遊民」と呼ぶこともある。表記は「游民」とも書く。
判断力に欠け、物事の道理を理解できない民衆を指す。為政者が大衆を無知な状態に置く政策を「愚民政策」と称することもある。
蒸民とは、多くの人民や民衆を指す語である。表記は「烝民」とも書く。「蒸」には多いという意味があり、そこから一般の庶民や万民を広く意味するようになった。
神によって特別に選ばれ、他の民族を神へと導く使命を担うとされる民族を指す。ユダヤ教においてユダヤ民族が自らをこう呼ぶ例などに見られる概念である。
世間のしがらみから離れて隠遁生活を送る者を指す。また、世俗の束縛を逃れ、自由気ままな生き方を楽しむ人々をも意味し、隠者と同義で用いられる。「逸民」とも表記する。
「烝民」とは、多くの人民や一般の民衆を指す語で、特に古代中国の文献において用いられる表現である。同じ意味で「蒸民」と表記されることもある。
民部省は、古代の律令制における八省の一つで、主に民政全般や財政を管轄した官庁である。また、明治初期に一時設置された中央官庁の名称でもあり、戸籍や水利などの事務を担当した。
貧しい人々が密集して暮らす地域を指し、住環境や衛生状態が劣悪な場所を意味する。スラム街や貧民街と同義である。
官尊民卑とは、政府や役人を尊び、一般の民衆を卑しむ考え方や風潮を指す四字熟語である。官権を重んじる一方で、民間の人々やその営みを軽視する態度を表す。
無告之民とは、苦しみや悲しみを訴える相手すらおらず、誰にも救いを求めることのできない人々を指す。特に、家族を失い頼るべき身寄りのない貧しい者や孤児を意味する。古代中国の経典『書経』に由来する表現である。
風波之民とは、世俗の騒動や煩わしさに心を乱され、常に波立つ水面のように落ち着きを欠いた生活を送る人々を指す。『荘子』「天地」篇に由来し、自然のままの無為の境地から遠ざかり、世間の利害や変動に翻弄される状態を喩えた表現である。
半官半民とは、政府と民間が共同で出資し、事業を運営する形態を指す四字熟語である。官民双方の資本や経営資源を組み合わせることで、公共性と効率性を兼ね備えた事業運営を目指す仕組みを表す。