口琴(びやぼん)は、江戸時代に玩具として流行した楽器である。細長い鋼鉄を簪のように二股にし、その間に針状の鉄を取り付けた構造で、根元を口にくわえ、鉄の先端を指ではじいて音を鳴らす。口びわとも呼ばれ、「琵琶笛」と表記されることもある。
月琴は中国を起源とする弦楽器で、円形の共鳴胴に短い棹が付き、四本の弦と八つの琴柱を持つ。その形状や奏法は琵琶に類似している。
木琴は、音階に合わせて長さや厚みを調整した木片を並べ、先端が球状になったバチで打ち鳴らす打楽器であり、シロホンとも呼ばれる。
鍵盤を操作するとハンマーが内部の金属弦を打ち、その振動によって音を発する鍵盤楽器の一種。広義にはグランドピアノやアップライトピアノなど、この機構を持つ楽器の総称として用いられる。
バイオリンは、四本の弦を持つ小型の弦楽器である。弓には馬の尾毛が張られており、これを弦に擦りつけて演奏する。弦を押さえる指板は指板と呼ばれ、共鳴胴は美しい音色を響かせる。主にクラシック音楽で用いられるが、他のジャンルでも広く使われる。「提琴」の表記で「テイキン」と読む場合もある。
琴線とは、本来は琴の弦を指す言葉であるが、転じて人の心の奥深くに秘められた、美しいものや優れたものに触れて共鳴し、感動を覚える心情を表す。例えば、「心の琴線に触れる」などと用いられる。
琴柱とは、琴や箏の胴の上に立てて弦を支える可動式の部品であり、その位置を前後に移動させることで弦の張りを調節し、音高を変える役割を果たす。人の字形をした小さな道具で、「箏柱」とも表記される。
竪琴は、弦を垂直に張った枠に構え、両手の指で弾奏する弦楽器の総称である。ハープやリラなどがこれに含まれる。
一弦琴は、中国から伝来した弦楽器の一種で、約一・一メートルの胴に一本の弦を張った構造を特徴とする。須磨琴とも呼ばれ、独弦琴の別名でも知られる。
一琴一鶴は、役人が清廉潔白であることを表す四字熟語である。宋の趙抃が蜀に赴任する際、わずかに琴一張りと鶴一羽だけを携えて行った故事に由来し、身の回りの品が簡素で私利私欲のない清廉な姿勢を喩える。また、旅の支度がごく簡易であることのたとえとしても用いられる。
風流を解さず情趣を損なうことを喩える四字熟語。琴を焚き鶴を煮るという字義通り、詩歌や音楽を愛でるような雅な心を欠き、せっかくの風情あるものを粗雑に扱う様を表す。唐代の『義山雑纂』に由来し、殺風景な行為の典型として挙げられている。
断琴之交とは、親友が亡くなったことを悲しみ、二度と琴を弾かなくなるという故事に由来する四字熟語で、『列子』湯問篇に記される。伯牙が鍾子期の死後、彼を理解する者がいなくなったとして琴の弦を断ち切ったという逸話に基づき、互いを深く理解し合う稀有な親友関係、あるいはそのような友情が失われた悲しみを表す。
「対驢撫琴」とは、道理のわからない者や理解力の乏しい相手に、高尚な道理や芸術を説いても無駄であるというたとえです。琴を奏でても驢馬にはその妙味が理解できないことから、相手を選ばずに教えを説く愚かさを意味します。
「対牛弾琴」は、牛に琴の音を聞かせてもその良さが理解できないことから、愚かな者に高尚な道理を説いても無駄であること、あるいは効果のない努力を喩える四字熟語である。
鼓琴之悲とは、親しい友人の死を悼み、その人を偲んで琴を弾く悲しみを表す故事成語である。『世説新語』「傷逝」篇に、王子猷が弟の子敬の死後、その生前愛用の琴に向かって弾こうとしたが調子が合わず、慟哭したという逸話に由来する。ここから、亡き人への深い追慕と、もはや再び共に楽しむことのできない無常の悲しみを指す。
古琴の友とは、深く自分を理解してくれる親友を指す四字熟語である。中国の故事に由来し、琴の名手である伯牙が、唯一その演奏の真意を理解した友人・鍾子期の死後、琴の弦を断ち切り、二度と弾かなかったという逸話に基づく。
琴棋書画とは、琴(楽器)・棋(囲碁や将棋)・書(書道)・画(絵画)の四つの芸道を指す四字熟語で、古来中国の文人が修養として重んじた教養や風雅のたしなみを総称する表現である。日本でも同様に、教養ある人物の嗜みを表す言葉として用いられる。
琴棋詩酒とは、琴を弾き、囲碁を打ち、詩を詠み、酒を楽しむという四つの風流な趣向を指す四字熟語であり、文人墨客のたしなみや雅な遊びを表す。
琴歌酒賦とは、琴を奏で、詩歌を詠み、酒を楽しむといった風雅な遊びを総称する四字熟語である。中国南北朝時代の文人、孔稚珪の「北山移文」に典拠を持ち、俗事を離れた文人の高雅な生活や情趣を表す。