一本の矢を意味する。特に「一矢を報いる」という慣用表現で、攻撃や批判に対して反撃を加えることを指す。
弓矢とは、弓と矢を合わせた武器の総称であり、遠距離から矢を放つための武具を指す。転じて、戦闘や軍事を象徴する表現としても用いられる。また、「ゆみや」の読みに加え、「きゅうし」と読む場合もある。
兄矢とは、二本の矢を用いて射る際に最初に放つ矢を指す語である。「甲矢」や「早矢」とも表記される。
甲矢とは、二本の矢を用いて射る際に最初に放つ矢を指す。後に射る矢である乙矢(おとや)と対をなすもので、「兄矢」や「早矢」とも表記される。
矢立とは、元来は矢を収納する武具を指すが、転じて携帯用の筆記具を意味する。特に、墨壺と筆筒を組み合わせた「矢立硯」の略称として用いられ、戦場などで携行された硯箱を指す。後に、墨壺に筆差しを付けた簡便な筆記用具全般を表すようになった。
矢が飛んでくる正面を指す原義から転じて、非難や批判、攻撃などが集中して向けられる立場を表す。特に「矢面に立つ」という形で、集団の代表として責めを一身に受ける状況に用いられる。
矢に結びつけて敵陣や相手方へ射掛けて送る手紙。主に戦場などで、直接の接触を避けつつ意思を通じさせる手段として用いられた。
矢車とは、鯉のぼりの竿の先端に取り付けられる装飾の一つで、中心の軸から放射状に矢羽根を模した部品を伸ばしたものである。風を受けると回転する仕組みになっており、端午の節句の景物として知られる。また、矢を立てて保管するための台を指すこともある。
矢頃とは、矢を射るのに適した距離を指す。転じて、物事を行うのにちょうどよい時期や機会を意味し、状況を見極めて行動を起こすべき頃合いを表す。
矢筈とは、矢の上端にある弓の弦を受けるためのV字形の部分を指す。この形状から転じて、その形を模した文様や装飾を表すこともある。また、棒の先端にV字形の股が付き、掛け物の掛け下ろしに用いる道具の名称としても用いられる。
征矢とは、かつて戦場で用いられた、鋭く尖った矢尻を備えた矢を指す。
嚆矢とは、もともと戦いの開始を告げるために射る音の鳴る矢を指す。このことから転じて、物事の最初や起源を意味するようになった。例えば、ある学説の提唱者をその分野の嚆矢と称することがある。
鏑矢は、木や鹿の角などで蕪(かぶら)の形に作った鏑を先端に取り付けた矢のことである。内部が空洞になっており、穴が開いているため、飛翔時に音を発する特性を持つ。合戦の開始を告げる合図や、祭祀などの儀式に用いられた。その音から、鳴り鏑とも呼ばれる。
竹を縦横に粗く組み合わせ、結束して作られた簡易な囲いを指す。主に建築現場や祭礼の際に仮設の仕切りとして用いられる。
城壁や塀などに設けられた、外敵に向けて矢を射るための狭い開口部。矢間(やま)とも呼ばれる。
浮矢幹はカヤツリグサ科の多年草で、沼地に自生する。夏から秋にかけて褐色の穂を数個つけ、根は薬用とされる。別名をミクリといい、水に浮く枯れた茎が矢の柄に似ていることからこの名がついた。
ラン科の多年草で、雑木林に生育する腐生植物である。葉は鱗片状に退化しており、初夏に茎の上部に黄褐色の壺形の花を穂状につける。根茎は塊状で、漢方では強壮や鎮痛に用いられる。そのまっすぐに伸びた茎を鬼の使う矢に見立てたことが名の由来である。
矢筈草はマメ科の一年草で、道端などに自生する。夏に紫紅色の小さな花を咲かせる。葉は長楕円形をしており、その先端をつまんで引っ張ると、矢筈(矢の末端の弦を受ける切り込み)のような形に裂けることからこの名が付けられた。別表記として「鶏眼草」とも書く。
桃弧棘矢とは、桃の木で作った弓と棘の木で作った矢を指す。古代中国において、これらは邪気を祓い災いを除く呪具として用いられ、特に不祥の事態に際して悪霊を追い払う儀式に使われた。『春秋左氏伝』にその記述が見られる故事成語である。
桑弧蓬矢とは、古代中国において男子の誕生を祝い、桑の木で作った弓と蓬の葉で作った矢を用いて天地四方を射る儀式に由来する四字熟語である。この故事から転じて、男子が遠大な志を抱き、広く世に雄飛することを願う喩えとして用いられる。
「嚆矢濫觴」は、物事の起こりや始まりを意味する四字熟語である。「嚆矢」は、戦いの開始を告げる鏑矢が鳴り響く様子に由来し、物事の端緒を指す。「濫觴」は、大河の源流が盃に溢れるほどのわずかな水に始まることに由来し、起源や発端を表す。これら二語を重ねて、事の初めを強調した表現となっている。